0100
※受験生パロ
俺の部屋に彼女はいた。いつものように寛いでいる。持ってきた雑誌やら音楽CDやらをその辺に放り出して女とは思えないだらしなさだ。ソファに寝転んで机に置いてあるチョコレート菓子とオレンジジュースをたまに飲む。
俺は先程から受験勉強に勤しんでいる。彼女は既に推薦で理数系、コンピューター関連の学科に合格している。その為大学の心配等不要なのだ。俺はというと医学部を目指している為受験に目指して勉強中。まあ模試で一桁をとるところからあまり勉強しなくても大丈夫のような気がするが俺的にはトップ合格を果たしてやりたいという気持ちがある。
呑気でマイペースな彼女は俺の邪魔をしにきたのかもしれない。
「ねえ」
唐突に彼女が口を開いた。だから俺は短く言う。
「何だ」
「幽霊って信じる?」
「科学的に証明されていない事は信じない」
「だよね」
素っ気無い口振りに彼女は溜息を吐く。まあ別に俺に呆れたわけではないだろう。それはそうとしてこんな事唐突に言った意味が解らない。電波発言とかいうやつか?いや、どうだろう。
「それなら前世も来世も無いんだね。でももしも来世があるとしたらまたウルキオラのことが好きになりたい」
「そうか」
「うん、だから来世でも巡り逢いたい。もしも好きになれなくても、それでも良いから。もう一度逢いたい。できるかな。どう思う?」
「さあな」
本当に解らない。だがもしもそうだとすれば「来世でも一緒に居ようね」の間違えではないのか。
「あのね、前世の記憶ってある?」
「無い」
「うん、ごめん。そうだよね。でも、持って行きたいと思わない?」
「そうだな」
「ねえ、今の記憶は持っていけないから、だから、今のうちに、言いたいこと全部言ってやりたい事全部やって、精一杯愛し合おうね」
そんな死亡フラグ立てなくても良いじゃないかと考えるのは俺だけだろうか。
ちょっと変わった来世予想
(逢えないかもしれないから今のうちに愛してほしいの)
(この関係はそんなに長く続かない。頑張って生きても後80年)
BLEACH短編100話目@薄雲
20110531
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!