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BSR
抱きしめてみる.政宗
教室の外を見ていると唐突に背後から聞きなれた鬱陶しい男の声がした。
「なあ、honey」
「うるさい、黙れ、失せろ。そして視界から消えろ」
いっつも私の事ハニーって呼ぶ。鬱陶しい。
「俺のこと嫌いなのか?」
「ええ、嫌い」
本当のこと。私は彼、政宗が世界で一番嫌い。
「なあ」
「話しかけないでよ」
本当に話しかけないで。静かにしているのが私は好きなの。
「……なあ」
「あー!もう!煩い!五月蝿い!どっか行ってよ!」と言って振り向くと、目の前に政宗が立っていた。「……何よ」
政宗は私を独眼で捕らえて逃がしてくれない。私は逃げられない。
「本当に嫌いか?俺のこと」
言葉に詰まる。嫌いなはずなのに。
「き、嫌いだけど」
言った瞬間目の前が真っ暗になった。真っ暗になっただけではなく、息は苦しいし背中には政宗の回した手がある。
「気安く触らないでよ」
「離さねぇ」
抱きしめてみる
「警察呼ぶよ?」
「やめろ」

変態筆頭@薄雲

20101217

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