BSR
また会いたい.元親
「また逢ったね、海賊さん」
「テメェ…」
「この前は貴方が海に落ちたときだったっけ?」
「……」
「今日は輪刀で斬られたの?」
「毛利にな」
「大変だったね、痛かったね」
「何のつもりだ」
背の低い彼女は堂々と歩いて俺の前へと立った。そして笑顔でこう言った。
「ここに長くいちゃいけないよ、戻れなくなる。だからさっさと帰りなさいな。貴方を待っている仲間がいるのでしょう?まだ跡継ぎもはっきりさせてないのに。周りを混乱させてはいけないわ。だから貴方の世界に帰りなさい。私のところへ還るのは、もう少し後」
彼女はそうふふっと笑って俺の斬られた腹を撫でた。
酷く冷たい手だった。
「またね」
「テメェは誰なんだ?」
俺は薄れゆく視界の中で訊いた。
彼女の口がゆっくり動く。聴こえなかった。
次視界がはっきりした時には自室の中だった。
また会いたい/生と死の境界線だと思ってる@薄雲
20110505
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