BSR H23バレンタイン企画第四位.伊達政宗 俺は彼女の住む部屋の前に居る。 チャイムを押すと彼女はかなり早い速度で俺の前へと現れた。 「…政宗、何しに来たの……?」 「Oh、honey、今日は」 俺は彼女の閉めようとする扉を無理矢理開ける。 「バレンタインでしょ?はいはい、さっさと帰って色んな女どもにチョコレート貰い受けなさい!さあ帰れ!今すぐ帰れっ!」 彼女は俺に対していつもこの様な態度をとる。きっと照れているのだろう。 「俺はhoneyからのが欲しいんだ」 そう要求すると彼女は呆れかえったような表情をして 「は?他の女に貰いなさいよ」 と返してきた。 いやいやいや、俺のhoneyはjapaneseも解らないのか。 「honey、チョコレート買ってるんだろう?」 「ああ、戸棚に板チョコがあるわ」 「板!?」 彼女は意外と平然に言った。 とても平然を装っているようには見えない。 本気かよ。 「honey、本当か?」 「ああ、そういえばあれも食べちゃったわ。お腹空いてね。ダメだ。私の家にはチョコレートが無い」 「honey、マジが」 「マジです」 彼女がそう真面目な顔で言うので俺は仕方が無く溜息を一つ吐きドアを足で押さえたままポケットの中の箱へと手を伸ばした。 そしてそれを彼女へと投げる。 「やる」 「わ!やった!逆チョコだ」 俺は扉を開け続けるのを諦めて意味有り気な言葉を残してその場を去る。 「一ヵ月後、楽しみにしてるぜ」 「は?」 ホワイトデー。 「Good bye. honey. またな」 「ちょ、待って!お返ししろって事!?政宗っ!」 ああ、楽しみにしてるぜ。My honey. バレンタイン企画第四位@薄雲 20110211 [戻る] |