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例えば私が泣いてあげる.三成
「私が死んでも誰も悲しまないのだろうな。それどころか歓喜の声を高々と上げて上から目線で嘲笑い、ましてや晒し首にした上、私のしゃれこうべを悉く砕くのだろう」
三成はそう言って嘆息、溜息。
いや、三成って溜息吐くんだね。
なんていう呑気な言葉を頭の中で並べていると三成はまた溜息をつく。
「いやー、何ていうか三成。溜息ばっかり吐いてると幸せ逃げていっちゃうよ」
そう言って励ましたつもりだったが三成はまた溜息を吐いた。そして何かをブツブツと唱え始める。いや、唱えるというより言い始める。ちょっとだけのろいの様にも聞こえる言葉を並べながら。表情は薄暗い。いや、真っ暗だ。
「私とてこれで周りと友好関係に気を使ってはおるのだが。友達はそうだな、真田と直江と刊部……、三人か。だがこの三人自身は私のことを友達と思っているとは到底思えない。きっと可哀想だとかなんとかで仕方がなく私の周りにいるだけで、本当はどうでもいい存在なのではないか。いや、あの三人に限ってそれはあるまい。いやはや、そう思わせぶりな事を演じているのかもしれない。どうなのだ」
「いや、三成。何で友達疑ってるわけ?」
「いや、これは疑っているのではない。断じて」
「じゃあ信じてあげなよ」
「ああ、そうだな」
「そういえばさっき『私が死んでも誰も泣かない』みたいな事言ってたじゃんか」
「そうだな」
「それならさ」
例えば私が泣いてあげる
(だからもっと明るく生きてよ)

明暗をはっきりと@薄雲

20110128

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あきゅろす。
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