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2*
話しを聞いてみるとどうやらマスターは帯人が怖いようだ。
まぁ、病んでるしな…。
アイスピックを常備して愛してるだの愛してだの言われたら誰だって怖いだろう。
ましてや、たまにストーカーさえしている様なやつだ。
「マスター…どうして俺に構ってくれないんだ?」
え…、は…?
「どうして…俺じゃ、っダメなの…っ!」
いきなりぽろぽろと涙を流し始める帯人に俺は唖然としてしまった。
とりあえずティッシュで拭ってもらおうとティッシュの箱を渡したところでギョッとした。
涙を拭っている腕の包帯から血が滲んでいる。
「お前…!また切ったのか!?」
「え…うん、夜中に」
「バカじゃねぇのっ!?待ってろ!!」
帯人は包帯でぐるぐるだ。
どこぞのお化けみたいだが、マスターの気を自分に向けさせる為だと知って俺は好きな相手に心配かけさせてどうすんの?と言った事がある。
どうやら心配してくれる事が良いようで、帯人は定期的に体を傷つけてはマスターに近づいている。
今朝は…多分、包帯を付け替えているうちに時間がなくなったとかだろう。
「ほら、腕だせ。ガーゼ外れてんじゃん」
「…っい」
「我慢しろ、自業自得なんだから」
全部はずしてから、消毒、ガーゼ、包帯を順々にやり直してやる。
綺麗に直った包帯を見て帯人は驚いた表情を見せた後、お節介なやつと言って部屋を出ていってしまった。
悪かったな、世話好きで。
俺は心配なやつがいると体が勝手に動くんだ。
そう胸中で言いながらやっと寝れると布団に潜るといつから起きていたのか、レンがにやにやとなんかムカつく笑みを向けていた。
「なに?」
「好感度ってやっぱり大切だよなって思って」
「はぁ?」
「俺もキカ兄に負けないようにマスターからカイ兄を剥がさないとなぁ」
にやついた表情のままベッドから降りレンは部屋を出ていく。
大体予想はついている俺はドアを眺めていると頬を手のひら形に赤くしたレンが帰ってきた。
懲りないやつだ。
「叩かれた」
「そりゃ、そうだ」
好感度とか言ってレンがしてきたのは起こしただけだろうが、日頃が日頃なためカイトは警戒心がついてしまったのだろう。
「たく、相部屋だからってなんでアカイトが叩くんだっての!」
「…アカイトに叩かれたのか?」
「そう!部屋はいった途端にカイト危ねぇええって叫んでさ、めっちゃ良い音響いたあとに天使の笑顔でレンくんおはよだって!行ってよかった…!」
ほぉ、警戒心がついたのはどうやらアカイトの様だ。
カイトがマスターが好きだと知ってるから守ってやろうと思ったのだろうか。
愚痴から惚気話しに変わったレンを適当に流しヘッドホンを付けて、もう音楽を聞くことに専念することにした。



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