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短編
僕の帰る場所 [骸綱]


「っ、もう知らないっ!!骸の馬鹿っ!!変態パイナップル!!!!」

「綱吉っ!!??話をっ…」




『僕の帰る場所』



―バタンっ!


大きな音を立て、ドアを閉めると一気に走りだす

骸がまだ話していたけど無視。

外は、土砂降り。

大粒の雨が俺の体を容赦なく打ち付け体温を奪っていく。


「寒っ…」

しばらく走っていると雨のせいもあり体力がなくなっていく

…もとから無いけど


走る足を止め、当たりを見回すと、隣町まできていた。


行く宛もなく、ブラブラと歩いていると公園が目に入る

その公園に入るとひときわ目立つ、パイナップル型の遊具があり、中が空洞になっていて人が中で遊べるようになっている


「何でこんなときにパイナップルがあるんだよ…」

こんなのを見ると骸を忘れられないじゃないか。


だが、そこしか雨が避けられる場所がなく、仕方なく中に入り座りこむ


「はぁ……」


さっきの骸との喧嘩を思い出すと思わず溜め息がでる

でも…どう考えても骸が悪いと思う。

そう思うのは俺だけなのかな…

いや、でも骸が原因。


喧嘩の理由は今日の夕方。
この日、俺は骸が出掛けるというので実家に遊びに行っていると母さんにお使いを頼まれリボーンと出かけていた




「おい、ツナ」

「何?リボーン」

「あれ骸じゃねぇのか?」

リボーンが指差した方を見ると

確かに骸がいた。


でも…
骸だけじゃない。

隣には、綺麗な女の人が骸の腕にくっついている

「おいツナ、あれ…」

そうリボーンにいわれまた骸の方をみると骸と女の人が、キスをしていた


「うそ、でしょ……?」

涙が、こぼれ落ちそうになる

「ツナ…大丈夫か?」

そう言ったリボーンの方を見ると
ばつの悪そうな顔をしている

「大丈夫だよ…?ほら、早くいこ。母さんが待ってる」

「あぁ…そうだな。」

無理やり笑顔を作ってリボーンに言うと、更に顔を歪めながらもリボーンは頷く。

普段はスパルタでも、こういうときは優しいんだよな…
リボーンて。


その後は買い物をすませ、家に帰り夕食を食べた。


「母さん。俺、そろそろ行くね」

「そう?また、いつでも帰ってらっしゃいね」

「うん。リボーンも、またね。」

「あぁ。またな。…頑張れよ」
「…うん」

一瞬、何のことかと思ったが、おそらく骸の事だろう。


「じゃあ、またね。」

―バタン

そう言い扉を閉める。



風が体に当たる

「寒いなぁ…」


骸…

寒いよ

温めてよ。


ギュッて抱きしめて俺の体をを…
心を温めて

―――
―――――…



―ガチャ

「ただいま…」

俺と骸が住む家につく。

電気もついているし玄関も開いていたから骸はもう帰っているのだろう

「おかえりなさい。遅かったんですね?」

リビングに入るとソファーに座りテレビを見ていた骸が言う


「うん。骸は…早かったんだね。…いいの?」


「えぇ。用事が早くすんだので。何がですか?」


骸に尋ねるとやっぱり何の事かわからないみたいだ。

「デート。女の人、綺麗な人だね。」


「…見てたんですか?」

「母さんにお使い頼まれて偶然、ね。街中でキスできるなんて随分中いいんだね?」

「っ、あれは違います!デートなんかじゃ…」

「でもキスしてたじゃんか!!それに…あんなにくっついてた…。あれをどう見ればデートじゃないって言えるんだよ!!!???」

「それはっ!!」

「っ、もう知らないっ!!骸の馬鹿っ!!変態パイナップル!!!!」

そう言って家を飛び出した。






これが…
さっきあったことだ。


でも、今冷静に考えると
女の人に無理やりされたのかもしれない。
デートじゃなく、仕事だったのかもしれない。


など、色々頭に浮かんで
さっき骸の話しを最後まで聞かなかったことを後悔する。


俺がうじうじなやんでるうちにも、時間は過ぎていく一方。

それと比例するように体の震えも大きくなっていく。


あれだけ雨に当たったんだから仕方ない、か…


「帰ろっかな…」

骸のいる家に。

本当は母さんのいる家に帰るてもあった。

でも、それじゃ駄目なんだ。

ちゃんと、骸と向き合わなきゃ。

逃げちゃ…いけないんだ



それに…骸と仲直りしたいから。

だから、帰ろう


家の前につく。

やっぱり…

俺の帰る場所は此処で…

此処しかなくて。

骸の隣が一番いいんだ。


骸の隣が一番「幸せ」を感じれるんだ。

―ガチャ

「やっと帰ってきましたね…」

「…」

「どこを探してもいないし…かなり心配しましたよ」

「ごめん、ね…」

「いえ、僕も悪かったです。あの人は、商談相手です。キスは…不意打ちで避けれませんでした。ごめんなさい。」

なんだ…
やっぱり、俺の思った通りだったんだ…

「ううん。もう、いいの。…ただいま、骸」

ただいま。
俺の帰る場所。

ただいま。
俺の大切な人


「おかえりなさい。…綱吉」


そう言って君は俺を抱きしめた。


-END-





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