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季節外れの虫さされ









「今って蚊がいる時期ですか?」 








アレン、ラビ、神田、リナリーの4人は任務も無事に終わり、談話室で集まって報告書を書いていた 

いつものように神田とケンカ…ということもなく、黙々と報告書を書いていたアレンが唐突なことを言った 



「蚊?まだそんな暑いわげじゃねえし、今年に入ってからは見てないさ」





アレンの問いにこたえたラビにアレンは首を傾げた 



「う〜ん、そうですよね…」


それでも何か納得のいかないようなアレンはうーん、うーん…とうなっている 


「アレンくん?」


「…どうかしたんさ?アレン」



アレンが何に悩んでいるのか気になったラビとリナリーはたずねた



「なんだバカモヤシ、頭おかしくなって見えねえもんまで見えるようになりやがったか」



ラビの隣で報告書を書いていた神田がフッとバカにしたような感じでアレンに言った

その態度にアレンはムッとした




「アレンです、バ神田。じゃあバ神田の首のとこになんで虫刺されがあるんですか?ずっと気になってたんですよ」 



アレンはピッ、っと指で神田の首筋にある赤い跡を指した

そこにいるみをなの視線が神田の首筋にいく


「首筋…?………あ」




「……なッ?!?!」







そこには白い肌にはえる、赤い小さな跡








それは虫さされでなく所謂キスマークというもので 




アレンに指摘されてその存在に気づいた途端、顔を真っ赤にして首筋をおさえた神田と隣りでニヤリと笑ったラビ

それを見て、その意味がわかってしまったリナリーはあぁそういうことね、と納得した


「な……こ、これは…ッ」


「なんだ神田も気づいてたんじゃないですか。何恥ずかしがってるんですか」



「は、恥ずかしがってねぇ!!!そもそもこれは虫さされじゃなくてラビが…」
「ラビが?」



ハッと気づいた時には遅く、勢いで思わず口がすべった神田は何も言えずただ顔を真っ赤にして口をパクパクさせた 



「ラビがどうかしたですか?」


神田の発言に違和感をもったアレンは神田に問い詰めた


「その虫さされがラビとどんな関係があるんですか?」




まさか、昨日ラビとヤッたときにキスマークをつけられました、などと言えるわけなく唇を噛んでますます赤くなってしまった神田を見てラビが言った


「だから今日は首もとには気をつけてっていったんさぁ、ユウ」


恥ずかしがって可愛いさぁ、と付け足して笑いながら言ったラビは次の瞬間神田に頭をガンッと殴られた


「ッんの馬鹿ウサギ!!!!」


もう知らねぇッ!!とラビに一喝した神田は自室へと足をズンズンとならしながら談話室を出ていった



殴られた頭を抑えながら昨日はあんなに素直だったのになぁ、とニヤニヤしながら出ていく神田をみるラビとその様子を見てため息をつくリナリー

状況の掴めないアレンは首を傾げつぶやいた



「…任務先で虫に喰われたんですかね」



ラビと神田の関係も知らないアレンには到底わかりそうもない







「……えぇ、きっと赤い虫に食われたのよ」


「赤い虫?」



ね、ラビ?と笑顔で問いかけるリナリーにははは、と苦笑したラビ


「………?」











アレンがあれはキスマークだったのとわかったのはそれから数ヶ月後のラビと神田の関係を知ったある夏の日であった











季節外れの虫さされ
(それは赤い虫(兎)に喰(食)われた痕)













----あとがき----


突破文です
ぐだぐだでなんとか蚊がたくさんでてこない時期にアップしたかったんで
そもそも教団に蚊とかいるのか、とかスルー


まだラビユウに気づいていない黒くないアレンも書いてて楽しいです
ちなみにアレンがラビユウに気付いた日は「暑いワケ…」のあの時…ってことです




あきゅろす。
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