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短編小説
数千年前
こんにちは誰かさん
俺の名前はえーと
ゴメン忘れた

取り合えず黒髪とでも呼んどくれよ
何故こんな森に一人で居るかって?よく聞いてくれました!

昔、中学生だった俺の前に巫女と名乗る美少女が現れたんだ。その萌え系女の子は自分の世界を救って欲しいと言っていた。

ああそうだ…。
まさかですけど?
皆様が想像の通りですけど!?
当時は正に厨2病まっさかりで世の中チョロイと馬鹿な事考えていた俺は、いっちょ前に退屈な日常にうんざりしていて、その願を受けてしまいましたよ!?

そして「助けを求めている奴を見過ごすなんて屑がやることだ!」と息巻いて、少女の願を断った友人を見下した俺は異世界に旅立ち。

そして少女に監禁された。

普通とは違う時間の流れの、この狭い空間に閉じ込められて泣きわめく俺に、少女は無表情に告げた。

「騙した?は?何言ってんの?何をするか聞かなかったのはアンタよ。私はただ救ってって言っただけ。それに考えもせずにホイホイついて来たのはアンタじゃない。ちなみにアンタの友達はちゃんと聞いてきたわよ。何度も話そうとしていたのに勝手に熱くなって笑えたわ。

何で傷付いた顔をしてるのよ?ハートフルな物語を期待した?仲間と頑張れば倒せれる程度の敵がいて、皆に感謝されて敬われて、私と恋人になるハッピーエンドでも期待してたの?馬鹿なのあんた?本当に平和な世界で大人達に護られていたのね〜。

……世界の危機なんてね…、そんな甘っちょろい物じゃないのよ!馬鹿にすんじゃないよ!たかが一人のガキが剣を抜いて?魔法を使って?そんな手段でどうやって救うのよ!こっちなんてね、数百万単位で死んでんのよ!大魔術師が何人も死んでやっと危機から脱したのよ!それが何が僕が力になるならよ!

良い?アンタの役割はイケニエよ。アンタは荒廃しきったこの世界の肥料になってもらうの!そう、アンタ一人の犠牲でこの世界の生き残りは助かるのよ!

は?別に…私はねアンタ一人連れて来るのにたった一人のダチを犠牲にしてんのよ。アンタが犠牲になってもちっとも心なんて痛まないわ。

必死に生きていた子だった。正直安穏と生きて幸福なのに退屈という理由で家族すら簡単に捨てて異世界に行こうとするアンタを連れて来る為に死んだとか考えると吐き気をもよおしたわ。

あぁ…、もうこんな時間。あんたといた時間は苦痛しかなかったけど一応お礼をあげる。えーと、なんだっけ?チート能力?アレあげる。その代わりあんたは此処から出られない。世界が滅びるまで一生、世界のイケニエになりなさい!良かったじゃない、貴方がなりたかった世界を救う勇者になれるのよ!いえ神ね神様!キャハハハハハ。

あとね、この空間にいると死ねないから。自殺しても無駄だからね。それじゃ、さようなら神様。」

上記の会話で理解してくれた?

現在の俺の【職業】肥料

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