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短編小説

私が微笑んでいると…。

「あんた達馬鹿かい?」

低い声がして、婆が私達を怒鳴る。

「何が守るだい?馬鹿言ってんじゃないよ!自分をよく見てみな!」

婆の怒鳴り声がパーンと空気を叩く。私は声に誘われるまま、下を向いて体を見た。

あ?
あれ…?
何だこれは?
ウネウネ?
た…沢山…沢山!
黒い?
長い…
気持ち悪い…気持ち悪い
御祖母様!

嫌だ…ヒィ!?
嫌…嫌嫌いやぁ!体の中に…あっ…あうぁ!?

気持ち悪い怖い助けて!
あ…あぁぁぁぁあぁぁぁ!あぎゃああぁ…ぁ…あ…ぁ…ぁ?

眠りなさい
貴方は気付かないで良いの

あ…?御祖母様?
何なんですか?これは…?

忘れなさい
御祖母様に任せて眠りなさい
子守歌を歌ってあげるわ
眠りなさい


クタリとした一人の青年を抱き抱えた老女が、いつの間にか婆の前に佇んでいた。

老女は青年の瞳を手で覆い、優しく子守歌を歌っていた。そして、老女は蒼い瞳を婆に向けてニイと微笑んだ。

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あきゅろす。
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