裏小説 5ニャア 「あー…。患部は君のアソコという事か?」 「…そうだったらなんなのさ。早く治してよ!」 恥ずかしいのだろう。 レインはソファーの上で膝を抱えて丸くなり、ネコミミは伏せられ尻尾は足の間で縮こまっている。 ていうかちょっと待て、コレってアレか? ショタエロシチュエーションでよくある、【初めての発情期イベント】か? 「あー、もしかして膿が出る前にソコを弄ったりしてないか?」 「そんな事するわけないじゃん!」 「じゃぁ、変な夢は?」 「変な夢って…。」 「エッチな感じだったり好きな人が出てきたりする夢だ。」 「……!」 明らかな反応に苦笑が漏れた。何だ、夢精しただけだったか。 安心して、溜息をついて床に座り込む。 「良かった…。レイン、それは病気じゃない。」 「えっ!?でも。」 「それは射精と言う、オスなら誰にでもある事なんだ。レインのお父さんにも私にもある、正常なオスになった証なんだ。」 「オスになった証…。」 「そうだ、おめでとうレイン。」 茫然と呟くレインに微笑むと、立ち上がって本棚に向かう。レインはこの歳の割には性に関する知識が少なさそうなので、この期に勉強して貰おう。 猫人は幼少期の成長が異常に早い。人間の倍の速さで成長する。その為に稀に一部の知識が培われないまま成長することがある。 現に、目の前のレインは、三年前までは六歳位の外見だったのに、今は13歳位の外見である。 「レイン、家に帰ったらこの本を読んで、お父さんに聴いてみなさい。恥ずかしいかもしれないが…ん?レイン?」 トンッと背中に軽い衝撃がした。振り返ってみると、レインが私に抱き着いていた。 「どうしたレイン?」 もう怖くないぞ、と頭を撫でると、私の背中に顔を埋めたレインの耳がピンと立った。 「あんた…、良い匂い…。」 「へ?」 「何か着けてる?スゲー良い匂い…。」 体を捻って見下ろすと、レインはトロンとした瞳で必死に私の匂いを嗅いでいた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |