裏小説
4
その夜。俺は憎き人間の家の前に来ていた。
話しをつける為だ。
あんなオッサンにレインは相応しくない!
背は確かに高いけど、痩せっぽちだしガリガリで肌は生白いしオタク丸出しじゃねーか。
近寄ると薬臭いし、そんなキモい奴がどうやってレインに近づいたか分からない。何か弱みをにぎられているかもしれない。
中に殴りこみに行こうと部屋に近づく。途中に結界が張られていたが、俺ら黒猫には意味はない。
通り抜けて扉に手をかけようとすると、呻き声みたいな声が聞こえた。
不信に思って左に回り込んで窓から家の中を覗き込む。
そこは寝室のようだった。
板敷きの床に絨毯が敷かれて、その上に敷布団と沢山のクッションが置かれていた。
そこにアイツは居た。大きなクッションに上半身を預けて布団の上に座っていた。呻き声はアイツの薄い唇から出ている。
「何をしてるんだ?」
訝しげに眺めると、アイツのゾロリとしたローブの中が蠢いていた。
「くっ…あっ…。」
何だこの声。
低く掠れた声に、自分の耳がビビビと毛を逆立てるのが分かった。
膝を立てたアイツは体を時々ヒクンとわななかせている。ローブの中に誰かが足元から中に頭を突っ込んでいるらしく、蠢いていた。
アイツは顔を真っ赤にして、ローブの中で何かをしている者を布越しに撫でていた。
急に体を強張らせると、白くて長い指がローブごと誰かの背中を掴んだ。
「っう!レイン駄目…だ。痛い…。」
ビクンッと体を強張らせたアイツはユルユルと首を振ると、ローブの中の人物に泣きついた。
レイン…、中にいるのはレインなのか…。
何か淫らなことをアイツにしているのがレイン自身だと知って衝撃を受ける。
そんな俺には構わず、家の中では行為が続けられる。
「くっ、うあぁぁぁ。」
先程まで苦痛の声を上げていたアイツが急に掠れた声をあげた。
途切れ途切れの甘い低い声が部屋に響く。堪らないと言った風に体を前屈みにしたアイツは背筋をピンと伸ばして喘いでいた。
「レインっ駄目…や…。くぁっ!」
強い快感に、体を震わせてズルズルと後ろに逃げようとするが、捕まれて腰を引き寄せられたらしくバランスを崩して床に倒れ込んだ。
すると、大きく足を開かされたアイツはレインに更に何かされた様で、体をのけ反らせて腰を浮かせて喘いだ。
「ふくっ…あっつう…。」
堪らないように瞳を細めたアイツは、次第に腰をカクカクと揺らし始めた。恥ずかしいのだろうか、顔が真っ赤だ。
「レ…イン。離…してく…れ。」
必死に途切れ途切れに出された声にもレインは応じることはなかったみたいだ。アイツは更に体をのけ反らせて涙を零しはじめた。
レイン…、一体何をしているんだ…。
「ひぃっくぁぁぁ!」
とうとう、アイツは一層切ない声を上げて体をビクビクと震わせた。
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