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裏小説
上流一
黙る時平にいたたまれなくて、俯く。膝までの丈の着物の裾をギュッと握る。

「くす…。」

笑い声が時平の口からもれた。気付いた瞬間、昴は時平の腕の中に抱かれていた。

「アハハハハ!子供と思っておったが、お主も菓子ばかりではなく、そのような事に興味持つようになったかー。」

可愛い可愛いと、昴の黒髪を撫でる大きな手。昴は恥ずかしくて白い頬が真っ赤になった。

「ややや止めて下さい!」
「ん?フフフフ…可愛がらせろ。」

セックスしたいと誘った相手に、撫で撫でと頭を撫でられ何だか男の誇りを傷つけられて恥ずかしくて、大きな瞳に涙が溜まる。

「時平さん…止めて下さいぃぃ〜。」
「泣くな泣くな…。」

労るように背中をポンポンと叩かれて情けなくて更に涙が出る…。
もう16歳なのに、相も変わらず子供扱いされて…同衾したいなんて言わなければ良かった…。

後悔しながらグスグスと鼻を啜っていた昴の額にコツンと時平の額が付けられた。

「すまないな…。少し受かれすぎた…。」
「ぐす…もういいです…。忘れて下さい。」
「嫌だ…。それは出来ぬな。」

泣きながら言った言葉に思わず真剣な声が返ってきた。キョトンと顔を昴が上げると、真剣な顔をした時平が昴を見下ろしていた。

「未だ幼いと…、今まで我慢をしていたのだ…。それが…愛おしい者が自ら私を誘って来たのだぞ?」

もう離さぬぞ…?

深く抱きしめられ、低い声が昴の耳に吹き込まれた。

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