裏小説
源流二
愉快な一夜から数週間後
ある妖魔事件を見事に解決した昴達年少組は、陰陽隊の年長組達からご褒美を貰える事となった。
「どうしたのだ…?」
そして現在、昴の前に涼やかな青年が座っていた。
腰まである真っ直ぐな黒髪に薄い一重の切れ長の瞳が凛とした雰囲気を彼に与えていた。
能面のような雰囲気と気品の有る青年、時平は目の前の幼い恋人を困惑して見つめていた。昴へのご褒美は時平が担当し、話を聴きに来たのだが。
対峙する昴は無言で時平を見つめていた。先程からずっと無言のままである。
昴が時平の厚い唇を見つめると、あの春画が重なって見えた。昴の端正な顔が真っ赤になる。
「あの…、時平さん。ご褒美は何でも良いんですよね?」
「あぁ…。まぁ金銀財宝等はちと無理だが、出来うる限りの願を叶えようぞ。」
ゴクリと喉が鳴る。
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