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君と僕 6






#アレハレ→ニル
(ロックオン死ネタ、アレルヤ独白)












僕らにとって彼は翼のような人でした。




(アレルヤ・・・・)




彼へと触れた暖かさ、優しい声が今は過去の残像として、自身の頭を過ぎ去る。 彼を感じさせる事が出来るものなど、今はもう何も残ってなどいなかった。彼の部屋だった筈のそこには、何もない。ただ白いだけの、色の無い部屋がそこにある。彼の存在は始めから無かったのだと、存外に言われているようだった。いや、実際そうなのだ。ソレスタルビーイングは、一切の情報も露呈させてはならない。だから何もかもを片付けた。全てを無へとする為に。その事は百も承知で、頭では解っていた。しかしそれでもと思う自身は、割り切ることなど出来そうにないのかもしれなかった。



「認めたく無いなんて思うのは、僕の我が儘なのかな?ハレルヤ。」



もう一人の自分に問い掛けると、彼はハッと笑って、笑みを浮かべる。



(お前が馬鹿なだけだろーが。)



けれど、そう言ったハレルヤがなんだか今までの彼とは違うようにアレルヤには見えた。アレルヤもそんなハレルヤに、うん、と相槌を打った。涙なんて出てこなかった。認めてなどいないから、涙を流したらそこで何かが終わる気がした。だって認めたくないのだから。泣き叫ぶ事だってあるいは出来ただろう。だけどそれは全てが終わってからだ。彼が望んでいた世界を、僕自身の、僕達の手で導きたい。彼の意思は生きている、僕らの中で。叶えるまでは、認めてなんてあげない。



「ねぇ、ロックオン。」



もういなくなってしまった人の名をアレルヤは呼ぶ。



「貴方がいたから、今の僕らがいるんだ。」



伸ばしてくれた腕を、抱きしめてくれた温もりを自分達は忘れない。僕ら二人を受け止めてくれた、あの優しい人を。貴方がいたから僕らは羽ばたける。自身の理想へ、未来へ。戦争の無い世界ーその世界で貴方と共に生きられたのなら、どんなに良いだろうと思った事もあった。いや今だって出来る事なら、だけどそれはもう、叶う事等これから先二度と無いのだ。この気持ちを胸に終い、僕は、僕達は、キュリオスで戦場を駆ける。



「アレルヤ=ハプティズム、介入行動に移る!」



貴方の想いを全て背負って、僕らはこの世界を貴方の代わりに変えてみせるよ。だから、見ていて。僕らが行き着く、その答えの形を。










もう君はいないんだね
(けど、それを信じたくない僕もいる)



END
●お題配布元●A.M 0:00
http://id15.fm-p.jp/8/amreije/





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