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/OO
★Roots





#アレニル
(二年前に出したコピーより。裏描写多少あり)













 その時はその行為を止める事等出来なかった。基本禁欲を強いられるプトレマイオスという閉鎖空間で、任務に追われ、そういった発散させる暇等有る筈は無いに等しい。むしろ、そういった術すら知らない、思いつきもしない人の方が多いのかもしれない。だからこその、勢いでの行為とも呼べるものだったのかもしれない。












その日、アレルヤが先程までのミッションの報告書を、書き終えたくらいだった。自室に供えつけてある呼び出し音が部屋全体に響き渡り、此処への来客をアレルヤに知らせた。任務外の時間帯というのもそうであるが、基本的に個人情報の守秘義務を定めているソレスタルビーイングという組織の中では、プライベートに含まれるこの時間帯は基本的に部屋にまで誰かが訪ねてくるような事は無い筈である。アレルヤは首を横へと傾け、その表情に訝しげにしかめながらも、その席を立ち上がり、扉の方へとその足を向ける。アレルヤが扉にかけてあるロックを解除しそれをスライドさせると、そこには自分と同じガンダムマイスターであり、GN―002ガンダムデュナメスのパイロットであるロックオン・ストラトスがそこにいた。彼はその手にビンを持ち、ニコリとアレルヤへと微笑む。

「ロックオン?」
「ごめんな。こんな夜遅くに・・」
「いえ、構いませんが、どうかしたんですか?」
「いや、なんか寝付けなくてよ。アレルヤが良ければ付き合ってくれないかなぁーてさ。」

そう言うとロックオンは、先程から腕に抱えていたビンを持っている方の腕を持ち上げ、それをアレルヤへとちらつかせる。そんなロックオンに呆れたようにアレルヤは苦笑を漏らした。

「僕なんかで良いんですか?」
「そんな畏まるなよ。たまには良いだろ?お前さんとゆっくりお酒を飲みながらっていうのも、さ。」
「まぁ、そうですね。それじゃあ。」

あまり飲めないんですがそれでも良いですか?とアレルヤはそうロックオンへと返答すると、ロックオンはそれに嬉しげに微笑んで、勿論だと答えた。アレルヤはそんなロックオンの笑顔に自身も笑みを浮かべ、それを了承し、自身の部屋へとロックオンを招き入れた。アレルヤのベットに腰を掛けながら、二人してお酒を飲みかわし始めて暫くした後。何故だかその会話の内容は恋愛方面の話に発展してしまう。二人ともお酒をその身体に含んで、常よりも口が軽くなっていたのかもしれない。普段は絶対に出てこないであろうそのような色めいた話題もお酒を含んでこそだった。自分たちは世界に喧嘩をうったガンダムのパイロットで、今は恋愛というものには捕らわれる暇など無いが、やはり自分とは違ってロックオンは過去にその口ぶりから、それなりの経験はあるようだった。

「で、お前さんはどうなんだよ?」
「え?」

自分だけに喋らせてないで、お前も言えよな。と、些かにすねたように唇をとがらせながら、ずいっと自分へと顔を寄せて、そんな風に問う。お酒のせいか、ロックオンの常のその白い肌が上気し、その頬は薄いピンク色に染まっている。ロックオンのその姿に何故だかアレルヤは思わず顔を熱くしてしまい、そんなの一切無いですよと、慌てたように答えた。するとロックオンは意地悪気にその口元に笑みを浮かべる。

「なんだ、無いのか?」
「僕は貴方みたいになんていきませんよ。それにそういう方面はどうも苦手なんです。」
「へーお前さん、見てくれは良いんだがな。身体つきも・・」
 
ロックオンの掌がアレルヤの肩へと延び、自身のそれに触れる。瞬間アレルヤの鼓動が大きく跳ねた。男同士なのだから、そんな細かい事を気にするのは可笑しいのかもしれないが、アレルヤは思わず身を固まらせてしまう。

(何をドキドキしているんだろう。相手はロックオンなのに。)

気まずくなって、アレルヤはロックオンから思わず視線を外してしまう。何だか妙な気分だった。お酒が入っているせいか、思考があまり定まらず、身体が熱い。

「アレルヤ?」
「・・あ、・・いえ、なんでも。」
「酔ったか?」
「大丈夫ですよ。」

そう答えるのがアレルヤには精一杯で、身体の熱さが自然に引くのを待つ事しか出来ない。けれど、ロックオンに怪しまれる訳にもいかない。アレルヤは違和感が無いように、ロックオンへと再び笑みを向ける。

「本当に、大丈夫ですよ。だから・・」

けれどロックオンの瞳が見開らかれ、そして固まった。その固定された視線にアレルヤもまたその視線の先をやると、その瞬間顔の表情をザーッと青へ、そして次には真っ赤に染める。

「あ・・」

自身のそれがその存在を主張するように、ズボン越しに盛りあがっていたのだ。

(どう・・して?)

なんでこんな事に。アレルヤはあまりの恥ずかしさにその頭の思考はパニックを起こしたように白へと染まる。お酒を飲んでこうなってしまったのだろうか、でもきっとそれだけでは、こんな風になったりはしないだろう。もしかして自分のそれは、知らず知らずのうちにたまっていたのであろうか?最近そういう処理をしていなかったから、だからこんな・・けれど、もしそうなのだとしても、何もロックオンがいる時にならなくても良いのではないかと思う。このような反応を示してしまった自分の身体をアレルヤは呪いたくなった。

「あ・・の、これは・・ちが・・」
「・・・・」

普段のロックオンの性格ならば、自身を気遣い、笑って流してくれるとアレルヤは思いたかったが、ロックオンは何も言わず、未だアレルヤ自身の反応しているそれから視線を逸らさずにいる。ロックオンのその沈黙が益々アレルヤをいたたれない気持ちにさせた。アレルヤは彼への言い訳すら思いつかず、それ以上は何も言う事が出来ない。

「・・すみま・・せん、浴室行ってきます。」

とりあえず早く自分で処理しなければならない。アレルヤはなんとかそれだけを口にして、その場から逃げてしまおうと立ち上がろうとした。だが、そんな自身の腕をガシリとロックオンの腕によって捕まれる。いきなりのロックオンの行動にアレルヤは驚き、ヒュっとその喉を鳴らした。

「ロックオン!?」
「・・・・・やる。」
「え?」

ボソリと、ロックオンの口から紡がれた言葉を聞き取る事が出来ず、アレルヤは首を傾ける。そんな自分に焦れたのか、ロックオンは軽く舌うちをすると、そのままアレルヤをグイっと自身の方へと引っ張り込み、ドサリとアレルヤをベットへと転がして、ロックオン自身はそれに馬乗りするように覆い被さった。

「だから、それ、俺がしてやる。」
「ろ・・ロックオン!?」
「馬鹿、そんな慌てなさんなって。取って喰う訳じゃないんだからさ。こー言うのはな、自分でやるより他人の手での方が気持ち良いんだぜ?」
「で、でも!!」
「良いから。お兄さんに任せなさい。言っておくが、そこらの下手な女よりは上手いと思うぜ?」

そう言うと、ロックオンは常は隠されているその白く綺麗な手を包んだグローブを口で引っぱるようにして外し、アレルヤのズボンへとその手を伸ばす。カチャリと音を立て、彼のズボンからベルトを引き抜き、ジッパーを下ろした。外し終えると、先程から反応を示していた、逞しいアレルヤ自身がそこから飛び出し、天井を向く。アレルヤは一連の理解の範疇を超えた出来事に頭が追いついていかない。けれど、何よりもロックオンに自身のそれを見られ、ただ恥ずかしい。

「ん・・お前さん、結構でかいな。」
「っつ、言わないで下さい。」
「そんな泣きそうな顔するなっつの。ほら・・」

ロックオンの指先がアレルヤのそれをツーとなぞり、包み込むようにしてアレルヤ自身がロックオンの手によってやんわりと握り込まれた。

「・・あ」

ロックオンの掌は上下に動き、先端をグリグリと弄ったり、アレルヤのそれを刺激していく。

(つっ・・・駄目・・だ。)

ロックオンは感じるツボか何かを心得ているのか、的確にアレルヤの熱を高めていく。おそらくは男同士だからこそ、何処をどうすれば良いのかが大体解っているのだろう。直ぐに達してしまいたくなる程にそれは気持ちが良かった。

「・はっ・・」
「気持ち良いだろ?」

ロックオンの掌の動きがスピードを上げ、先程よりも強い刺激がアレルヤを襲う。ギュっと握り込まれて、アレルヤはその刺激に早急に達してしまった。ドクリと先端からは白い白濁が溢れ、ロックオンの掌を汚していく。はぁーとアレルヤは熱い息をその口から吐き出し、乱れてしまった呼吸を調えた。

(最低だ。)

いくらロックオンが優しく面倒見が良いとは言っても、こんな事までやらせてしまうなんて。アレルヤはひどい自己嫌悪に陥いってしまった。けれどロックオンもロックオンだと、アレルヤは珍しくロックオンに対して咎めたい気持ちになる。ロックオンはこんな風に男のそれに触る事をなんとも思わないのだろうか?
チラリとアレルヤはロックオンを見ると、ロックオンは既に、何喰わぬ顔でアレルヤのもので汚れた掌を拭っている。その姿にアレルヤはツキンと胸の奥が痛くなった。どうしてこんなにも痛いんだろう。

「あーと、アレルヤ。」

ロックオンのその声にハッと思考に捕らわれていたアレルヤは頭を上げると、ロックオンは些か困ったように、自分を見つめていた事に気付く。

「はっ・・はい。」
「いや、そのお前・・さ。」

アレルヤはその時ロックオンの様子に疑問を覚えた。どうしたのだろうか、先ほどまで余裕の笑みさえ浮かべていたというのに、今は何かを隠しているように、ロックオンの歯切れが悪いような気がする。

「えと、風呂・・・行く気無いか?」
「はい?」
「いや、お前さんさっき浴室行くって言ってたからさ。」

今更、何を言っているんだろうこの人は。さっきはロックオン自身がそれを止めた癖に、何を。だがアレルヤはふとそれに気付いた。ロックオンが先程からベットに座り込んだままその場を動かない事に。まるで自分を追い出すような、余裕の無いその言動と、さまよう視線。そして決定的なのはその足が閉じられている事だ。アレルヤは眼を細めると、すっとその掌をロックオンの閉じられた足に割り込ませた。

「な、・・アレルヤ!?」
「やっぱり。」

何ともなかった筈のロックオンの雄が先程までのアレルヤと同じように、固くなり、それが勃ちあがっていたのだ。

「もしかして、僕のしてたら興奮しちゃった?」
「ばっ・・そういう訳じゃ・・」
「嘘ですね。」

ズボン越しに今度アレルヤがロックオンのそれを指先でなぞる。その瞬間ブルリとロックオンの身体が震えた。アレルヤはそのロックオンの反応に、ザワリとした何かを感じる。

「今度は僕がしてあげますよ。」
「っつ、俺は良い・・・あ!馬鹿。触るな・・て。」

ロックオンがアレルヤにしたように、アレルヤもまたロックオンのベルトを引き抜き、ファスナーを開いて、ロックオンの固くなったそれを掌で包み込む。アレルヤはこのように自分と同じ男のものを気持ちよくさせる方法なんて知らない。だからアレルヤはロックオンが自分にしてくれたようにするしか無い。

「・ん・・待・・て、アレルヤ。」
「待てません。」
「っつ、おまえ・・」
「何か、止められない。それにロックオンだってやめてくれなかったじゃないですか。」
「けど、それは・・・ん!」

自身が与える刺激に反応して、その口から掠れた声と、甘い声が、アレルヤの耳へと届く。こんな彼の姿など今まで見たことがなかった。

(どう・・しよう。)

感じてくれているロックオンにアレルヤは始めて彼に対して感じる感情に戸惑いを覚える。けれど、それは確かにアレルヤ自身の中で生まれていたのだ。ただその時、アレルヤの中でそれが恋愛感情なのだと、自覚はされていなかった。



Roots









END
(二年前にひっそり出してたアレニル。)






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