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/OO
★君と僕 3






#アレニル
(痛い話で、悲恋なので読みたく無い方はバック。性描写あり。)










 その日は、月夜の晩だった。暗い闇夜に輝く、その美しい月の光は、窓のガラスをすり抜けて、ベットで絡み合う僕らを照らしていた。



「止せ、もう・・・アレルヤ」
「ここまできて、止められる訳・・ない。」



潜かに抵抗しようとする彼の手首を拘束して、がむしゃらにその白い素肌に吸い付いた。熟れて朱く染まり、唾液で艶やかに濡れたそれは、とてもいやらしく僕の眼には映る。



「ごめん、ロックオン。」



誰にでも優しい彼に、自分だけを見ていて欲しくて、本当の彼を、暴いてしまいたくて。独りよがりだと思いながらも、その想いは募るばかりで。



『なんなら、あいつを犯っちまえば良い。そうだろ?アレルヤ。』
「・・・しないよ。」



それはいっそ頑な程に、その一線だけは越えてはならないものだと知っていて、けれどどうして僕は今、彼にこんなことをしているんだろう。



「く・・あっ・・」



その耳で、彼の苦痛を伴った声を聞きながら、強い刺激に震える腕で、彼の脚を大きく広げ、もっと深くまで穿つ。ビクリと痙攣したように跳ねるその身体に掌を這わせて、何度も何度も弄くり回した。



「うっ・・あ・レル・・ヤ・・・」
「・・つ、ロックオン」



苦しげな表情を浮かべながらも、自身の名前を呼ぶロックオンに、アレルヤも彼の名を呼ぶ。彼の名前を呼ぶことでしか、彼に応えてあげられ無かった。彼の瞳が、揺れる。何故だかそれが酷く自身の心を掻き回した。



「ごめん・・な。」
「つっ!?」



ごめん、と。震える唇で彼から紡がれた言葉に、ドロドロした何かが、胸を渦巻く。何故この人はこんな事を言うのだろう?何故こんなにも酷い事をされているというのに、僕に謝るのだろう?こんな事をしてしまっている自身があまりに、小さく感じられた。



「何・・で・・貴方が謝るんですか!?」



こんな時でも、彼は優しくて、泣いてしまいそうになる。けれどだからこそ、それが痛かった。その優しさは鋭い刃となって自身を襲うのだ。どうせ拒否されるならば、罵られて、嫌われてしまった方がましなのに。 僕は、貴方を傷つけたのに、それでも貴方は何処までも優しい。彼の優しさは誰に対しても平等で、特別など無い。彼のそれは、僕にとって残酷なものでしか無い。そうロックオンは結局、こんな時でさえ、本当の彼を見せてくれなかったんだ。



「ごめんな、アレルヤ。」
「つぅ・・う」



二人の頬を伝う涙。どちらも痛くて、どちらも悲しい。どうしてこんな事になってしまったのかは、僕にも解らない。ただ、何かを間違えた。きっともう元には戻れない。だけど本当はー本当は貴方の涙なんて見たく無かったのに。



「ごめんっ。ロックオン、ごめんなさい。」



ただ謝る事しか出来なかった自分が、ひどく虚しかった。









君の涙は見たくない




END
*11月26日修正


●お題配布元●A.M 0:00
http://id15.fm-p.jp/8/amreije/




あきゅろす。
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