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君と僕 2






#アレニル
(おそらくギャグです)










 テレビで、ある国での、大規模なパーティーの様子が映し出されている。それをアレルヤとロックオンは、特に関心を持っているという訳では無かったが、その時は世界の動向を見る為に、付けていたニュースが偶然それを映した。



「凄いもんだな。」
「そうですね。」



その豪華なパーティーでは、男も女もそれぞれ、高そうなタキシードやドレスで着飾り、談笑している姿や、その大きなホールの中央では男女が一対になって、ダンスを踊っていた。踊り方はいたって、スローペース。 ゆったりとした動きはとても優美に感じられた。



「あれは、ワルツですね。確か、ワルツはドイツ語でオーストラリアの民謡舞踊が起源だった筈です。十九世紀後半程に流行したみたいですよ。今もまだ大規模なパーティーで踊られてるみたいですね。」
「へーお前、よく知ってるな。」




ロックオンの様子に、アレルヤがそう説明を加えると、彼は感心したようにアレルヤに羨望の眼差しを向ける。そんな風に感心する彼はまるで子供のようにも見えた。



「昔、本で読んだ気がするんです。」
「そうか、俺にはダンスなんて縁が無いしな。」



ロックオンの言葉に、今度はアレルヤが驚く番だった。



「そうなんですか?」
「なんだ、その意外そうな顔は?」
「いや、ロックオンの事ですから、女性相手に良くこういう相手をしているのかと思いました。」
「−お前は俺を何だと思っているんだ?」
「失礼。」



そう言ってアレルヤが笑うと、ロックオンはふて腐れたようにして、ソファーに腰掛けたまま再びテレビをの方へと視線を戻す。ロックオンの後ろに回り込んで、アレルヤは身長を合わせるようにして屈むと、その唇をロックオンの茶色の髪へと押し付けた。



「つっ、おい、アレルヤ。お前何やってんだよ。」
「ん?いや、あまりにも可愛い反応するので、つい。」
「つい、ってお前な。年上、しかもこんな図体のデカイ男なんかにそんな言葉使うなよ。」
「いいじゃないですか、だってロックオン可愛いし。」
「あーはいはい。そりゃどうも。」



何を言っても無駄だと思ったのか、受け流すようにして言葉をロックオンは返す。彼の意識は再びテレビの方へと移っていた。未だに、パーティーの様子が映し出されいた事に結構長いなと、ぼやき気味に口を開いた。しかし、そこにアップで一組の男女が映し出され、踊る姿を見て、フッとその顔に笑みを浮かべる。



「まぁ、こういうの踊れたら、男としとは恰好が良いとは思うけどな。」



その笑みは、アレルヤにとって目に毒以外の何ものでも無い。心臓が跳ね、鼓動が早くなっているのが自分にも解った。そんな自身を抑えて、アレルヤはロックオンへと口を開く。



「じゃあ教えましょうか?」
「はっ・・何を?」
「何って、ワルツ。」
「何で知ってんだよ。」
「だから本で読んだんですって。」
「踊り方までか?」
「はい。踊り方まで、です。まぁ、ワルツをやる前にブルースという基本的なものを、やった方が良いんですが・・」



いつの間にか、ロックオンの前へと寄っていたアレルヤは、彼の片腕を取り、もう片方の腕を彼の腰へと回すと、スッとロックオンを立たせる。そのアレルヤがとった一連の行動に、ロックオンは暫く、あまりの事に、呆けていたが、我に返ると、眉を寄せ、その頬を朱へと染めた。



「俺は女じゃない。」
「あれ?踊りたいんじゃなかったんですか?」
「男役でなっ!」
「でも、ロックオンより僕の方が背高いし。」
「一センチしか変わらないだろ。」
「第一、リード出来るんですか?」



途端、ロックオンは黙った。その姿にアレルヤは苦笑を漏らす。



「クス、じゃあ決定ですね。」



何か丸め込まれているようで、納得出来ないとでも言いたげに、不満を零すロックオンを宥めて、アレルヤは、ロックオンへと接近し、抱き合うような形になる。



「ほら、ロックオン。もう少し僕にくっついて下さい。左手は僕の右肩に。」
「あ、あぁ。」
「そう。あと背筋伸ばして・・」



不満を言いながら仕方なくも、型を取るロックオンに、笑み浮かべて、アレルヤは動き始めた。





















「・・難しい、な。」
「うーん・・ロックオン。実はこういうの苦手だったんですね。得意そうなのに。」
「うっせ。」
「はいはい。そんなに怒らない。」



悔しいのか、視線をアレルヤから反らし不機嫌な表情をする。そんな彼の姿に思わず微笑んでいた。これじゃあ、いつもと逆みたいだ。とてつもなくそれが可愛く思えて、アレルヤはそんなロックオンの唇に、軽く口づける。



「つっ・・アレルヤ・・」
「すみません。でも・・」



アレルヤはニコリとロックオンが不愉快に思うような健やかな笑顔を浮かべ、トンッとロックオンの身体を軽く押す。構えていなかったロックオンは、バランスを崩して、後ろにあったソファーへと素直に倒れ込んだ。 そこへアレルヤが、よいしょっと彼の上にのしかかる。



「って・・何す・」
「貴方はこっちの方が上手く出来ると思いますよ?」
「お前・・なぁ。」



怒りを通り越して、呆れたように溜息をつくロックオンの掌を取り、今度は庚へと優しく口づける。何度口づけても、足らない。僕はこの人が好きで好きでしょうがないみたいだ。



「ロックオン、大丈夫です。」
「何が?」
「僕の下で、上手く踊ってくれれば何の問題も無いから。」



勿論、この後おもいっきり殴られたのはご愛嬌。














僕とワルツを



END
素晴らしく、攻めらしいアレルヤと、受けらしいロックオン


*11月26日修正

●お題配布元●A.M 0:00
http://id15.fm-p.jp/8/amreije/




あきゅろす。
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