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触れた指先(アレ→←ニル)






#アレ→←ニル






偶然少し触れただけのその指先に、自分は何故こんなにも動揺してしまっているのか。アレルヤは、ひどく情けない気分に陥った。男同士である自分と彼。普通ならば、そんな些細な事どうという事もない。 それなのに、何故自分はこんな感情を沸かせてしまうのか。アレルヤには解らなかった。正直、泣きたい。何故自分はこうなのかと。何故こうも彼を意識してしまうのかと。自分は可笑しいのではないかと。
 現に彼、ロックオン・ストラトスは気にも止めていないようで、「悪いなアレルヤ。」とニコリと邪気の無く、そう言って笑う。そうだ、ロックオンのような反応が普通なんだ。そうだ、やはり可笑しいのは自分なのだと言い聞かせて。彼が不思議がらないように、僕は笑った。

「いえ、大丈夫ですよ。」

と、そう言って笑った。笑えた筈だ。それなのに、どうして。その瞬間、ロックオンはその綺麗な顔を歪ませるのか。

「アレルヤ」
「・・・はい。」

じーっと、その瞳を自分へとよこして。何故そんなにも、彼は悲しそうな顔をするのか。

「もっと上手く笑えって。」
「え?」
「俺は、女じゃない。」
「解っています。」
「なら、それは違う。」
「・・はい。」

互いが互いに相手のその思いに気づいているのに。決して言わない。言えやしない。自分達は無理だと解っているから。だから知らぬ振り、気付かぬ振り。
アレルヤはもう一度、笑った。

「ごめんね。ロックオン。」
「いや、大丈夫だ。アレルヤ。」

 ねぇ、ロックオン。今度は上手く笑えましたか?僕達のように、先を恐れて、別れを恐れて、何も言わぬ臆病者は、こうやって偽り続けるしか出来ないから。
ねぇ、ロックオン。
僕達はこれで良いんだよね?。
 そしたらきっと、苦しくなんてないから。
 これ以上苦しくなんてなりたくないから。
だからきっとこのまま、僕と貴方は偽り続ける。
ねぇ、ロックオン。
 貴方の言ったとおりに僕は笑えていますか?
















大人ってずるいね。


お題配布元
http://hanauta.yukihotaru.com/
sitename>>ハナウタ



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