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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜集いし者達〜
第1話A

 
「うん、皆集まったみたいやな」


 はやての声を聞き、茫然としていた意識を覚醒させた。

最近こんな事ばかりだと、プライドを砕かれるという本来あまり頻繁には起こりえないはずのことに嬉しくないデジャヴを覚えながらも、なんとか立ち直ったゼフィの瞳に映ったのは、両脇にいるはやてとシグナム、そして部屋の扉の前に立った9名の人間である。
 眼鏡をかけた真面目そうな雰囲気の男に、目の細い優男の風貌をした男性や、茶色の髪をサイドテールにし、教導隊の制服を着た女性、腰まである金髪が特徴的な女性、赤毛の三つ編みで幼げな容姿をした少女など、ある種、個性的といえる人物達が直立し、ゼフィへと視線を向けていた。


 (いつの間に、前線メンバーの皆さんが来ていたみたいですね)


 すぐに自分の紹介等が行われるであろう事を悟り、彼らの横に並んだオレンジ色のツインテールと釣り目の少女や、紺色の髪を肩の上で切った、いかにも活発そうな少女、赤毛に青瞳の少年、一際小さな桃色の髪の少女と一通り辺りを見渡たすと、ゼフィは再び彼の左隣にいる女性、はやてに視線を送った。
 はやては軽く頷き、部隊長室にいる個性溢れる面々に一度、ぐるりと視線を送ると、満足そうに頷いて口を開く。



「朝練終わってすぐなのに、わざわざ集まってもらって悪いな。ちょいと話さなきゃあかん事があってな。 もう知っている人もいるかもしれへんけど、機動六課に新分隊──シャドウズを設立が正式に決定しました」



 はやての言葉に、室内にいた者達からどよめきが生まれた。

 会議室にいる面々が潜めた声で思い思いに言葉を交わすのを眺めながら、はやては内心で気持ちは分かると呟く。
 
 
(なのはちゃん達はともかく、フォワード陣はやっぱり驚いてるみたいやね、まぁ前線メンバーが復帰してやっとそれなりに動けるようになったばっかりやもんな)



 思考を一度止め、視線を前に戻すと、はやては微かにざわめきをました一同へ戻すと軽く咳払いをした。
「そろそろええか?」
 
 慌てたように頷き、再び静かになるのを見て、はやては再び頷くと言葉を再開する。 
「それでや、“シャドウズ”分隊設立にあたり、何人か新しい人がここへ来ることになったんやけど……」
 そこまで言うと、はやてはゼフィへ向け目配せを行う。
 ゼフィは軽く頷きを返すと半歩ほど前に出て背筋を伸ばし、スゥと軽く息を吸った。


「はじめまして、ゼフィ・ノクテムです。本日付で機動六課の所属となりました。よろしくお願いします」「ゼフィ君にはシャドウズ隊長をやってもらうから、皆も仲間としてよろしくやってな」
 

 そう言ってはやてはもう一度全員を見渡し、再び満足そうに頷きを返した。


「今言いたかった話は以上や、すぐ来てもらったから、みんな朝ご飯もまだだと思うし、午前の教導とか仕事に備え、しっかり休んでおき。それと、グリフィス君は後でゼフィ君の隊舎の案内お願いできるか?」
  
「はい」
「うん、それじゃあ解散っ」
 
 その言葉と共に、隊員達は退室を初め、朝の緊急連絡は終了したのだった。

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