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いただきもの
大切なモノ
―……ガイ…………

頭に 鮮明に甦る声……
昔の…生きている姉上の声

「………イ!」

―……なんだ?今度は………

「ガイ!!」
そういってこちらを見ている紅髪の青年が居た。
「…ルーク……」
ルークは心配そうな顔で見ている。
「どうかしたのか?そんな顔して」
「どうかしたのか…って……お前覚えてないのか?」
どうしたと言うのだろう…
俺は何かやらかした……のか?
「……すまんルーク。思い出せないみたいだ」
「そ、そうか。えっと、モンスターが襲撃してきて、お前大怪我して倒れたんだよ!」
「大怪我………?」
体を見てみたところ、傷など残ってはいなかった。
ああ、そうか……
「怪我は、ティアとナタリアが癒してくれたから大事には至らなかったんだ」
周りを見回してもルーク以外は見当たらなかった。 「……そっか。ルーク、皆は?」
「向こうで野営の準備。街からは少し遠いからさ」
「アルビオールは?」
「使えばすぐにでも行ける。だけど、ガイかなり酷い傷だったから念のためあまり動かさないようにしてたんだよ」
「………迷惑かけちまったな。ルーク、皆はあっちに居るんだろ?」
「ああ」
「なら行こうか」
腰をあげ、少し背伸びをする。
そして ルークの頭にぽんっと手を置く。
「……大丈夫そうだな」
ポツリと呟くようにルークはそういった。
「体の方はすっかり大丈夫だよ。看病有り難うな、ルーク」
「別にいいって。いつも世話になってんのは俺の方だし」

そうルークが言った後、皆のところへ歩きだす。
行く途中、ルークが何か言ったみたいだった。
聞き取れず、内容は解らなかった。
だけど こういった気がする。
姉上がよく言っていたコトバ………



「大丈夫だよ ガイラルディア」



俺の 大事な家族

昔の家族は居なくなってしまったけど

今だって居る。

大事な……大事な仲間達が 俺の今の家族なんだ。







Fin



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あきゅろす。
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