[携帯モード] [URL送信]

物書き
(続き・BLちっく注意)
「多串くーんいい加減進路調査希望書だせって〜」
「んなもんねぇよ」
「ダメだよ卒業したらどうする気?」
「しなくていい。」
「あのね・・・」
「卒業なんざしたくねぇ。」
「なんで?」
「ここにいたいからだよ。」
「この教室に?」
「この教室に、っていうか・・・」
「この学校?」
「まぁ、そうだな。」
「3ーZの奴らといたいんじゃなくて?」
「そうかもしんねーけど・・・」
「しんないけど?」
「そうだ。けど・・・」
そこにアンタは入ってるのか?
「ヤな奴とかいんの?」
「そうじゃない・・・」
俺が言いたいのは
「じゃあいいじゃん。今のうちにおもいでとか
いっぱいつくっとけ、って。」
3ーZ、ってのはアンタも含めたんだ。
「・・・アンタもか?」
「え?」
 俺がなにより尊いと、
「アンタも卒業とかイヤだったのか?」
なにより愛しいと思ったのは
「まあ、ね・・でもどうしようもなかったからね。
しかたないんだよ。」
違う。しかたなくなんかない。
「しかたないのか?」
「そう。それっきりになっちゃう奴もいれば、
ずっといる奴もいるし。」
アンタにとってそれは誰のことなんだ?
「だから割り切っちゃった方が楽なんだよ。」
・・・割り切れねぇんだ。
「出来ねぇよ・・・」
不条理だ。
「わかるけどね。今どれだけ大事でもね」
「今大事だから失いたくねえんだ」
いなくなるだなんて。
「先生・・・」
「え?何?抱きついて。」
これが精一杯の甘え。
「・・・」
「え、なに、どーしたの多串くん」
例え叶わない片想いだとしても
「いなくなるな・・・」
傍にいて、欲しいんだ。
「多串くん・・・」
忘れられても
「いなくなんてなるな・・・」
どんな苦労があったとしても
「好きなんだ・・・。先生のこと・・」
俺はアンタを追い続けてしまうから


[前へ][次へ]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!