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夢と現実と明日
※R12
太ももに感じる重さで目が覚めた。
目を開けても、何故か目の前は真っ暗で一体何の重さなのかわからなかった。
その重さの正体を知るために手で探ろうとしたが、ガチャガチャという金属音がするだけで手を動かす事は出来なかった。
「起きたの?」
太ももの上辺りから声が聞こえた。
その声に聞き覚えがあった。
そう僕の大っ嫌いな転校生。
「青山くふっっんん!!」
彼の名前を呼ぼうとすると、彼は枕カバー代わりにしていたタオルを引き抜き、僕の口の中に押し込んだ。
「ごめんね、少し我慢して」
彼はそう言うと、スルリと僕のTシャツの中に手を滑り込ませた。
流石に危ない。
僕の中で何かが警告した。
「んーっ!!」
こんな夜中に誰かが助けに来る筈も無いが、僕は何かに助けを求める様に叫んだ。
しかし、僕の声に反応するのは上に乗っている彼だけで、僕の抵抗に腹が立ったのか、空いた方の手を僕の首に掛け、
「このまま力入れて欲しくなかったら静かにして」
と言った。
僕は抵抗することも出来ずそのまま彼に身を任せた。
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全身が痛い。
腰が痛い。
頭が痛い。
一番心が痛い
行為中に彼はずっと「好き」だの「愛してる」だのと言っていた。
でもその言葉は、その時の僕の耳には届かなかった。
なんだか眠くなってきた。
風呂に入りたいけど、面倒くさい。
考えるのは明日にしよう。
僕はそのまま意識を失った。
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