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図書館の君



放課後、図書館で勉強するのが日課だった。
図書委員にも戸締りを任せられ、一人の時間を楽しみに図書館の扉を開けると、そこには学年トップの坂峰 遼太郎がいた。
勉強をする訳でも無く、夕日の差し込む窓辺の机で頬杖を付き眼鏡を掛けたまま寝ていた。
いつも無感情の瞳が閉じられ、色白の頬は夕日によって紅く染められていた。
特別綺麗な顔立ちでは無い筈の坂峰がその時は何故かとても美しく見えた。
長い前髪を横に流すと、ニキビ一つない額が現れる。
その額に吸い寄せられる様に口付けると、パチリと瞳が開けられた。
何があったかわからないという顔で額に手を当て、パチパチと瞬きをしながら俺の顔をみる。
その姿が可愛く、愛しく思えた。
坂峰の頬に手を滑らせながら耳元で「好きだよ。」と言うと、坂峰は瞳を伏せ、頬にある俺の手に自分の手を重ねながら頬を染め「俺も。」と呟きふわりと微笑んだ。
そのまま坂峰の唇にキスをしようと顔を近づけると、坂峰は微かに口を動かし小さな声で「ずっと好きだった…」と言い、俺の唇に自分の唇を押し当て、逃げる様に図書館から走り去った。
残された俺はまさかの不意打ちに日が暮れるまで膝を抱え悶えつづけた。






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あきゅろす。
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