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僕と王道君(?)の幸せライフ
9


「でも何で藍が悠と付き合ってるとかいう噂が流れたんだろうな?」

笠井が長井様に尋ねた。

本当に何で僕なんかとの噂を流したんだろう?
きっと僕なんかよりもずっといい人が居ると思うのに。

僕が一人で考えていると、長井様が笠井に耳打ちした。笠井はそれと同時に目を見開いた。

「な!あいつに限ってそんなっ「おーい!稔ぅ!………ぁ…」

笠井が何か言おうとすると、遠くから桜井くんの声が聞こえた。

桜井くんは僕を見ると驚いたような顔をしたあと笠井と目を合わせ、小さな声で話し始めた。

2人が仲良さげに話すその姿に、胸の奥がツキンと痛んだ。

「悠?」

俯いている僕に長井様が心配そうに声を掛けてきたが、その時の俺にはその声は頭に入ってこなかった。

ふと顔を上げると、2人が笑い合った。

(痛い、痛い、痛い、痛い)

胸が苦しい。

気がつくと僕はその場から走り去っていた。




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