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CP部屋
ユラリ、ユラユラ(ツナ京

「ちょっとだけ、寒さが和らいだね」

学校の帰り道、俺は隣りにいる京子ちゃんにそう言った。まだ肌には冷たい空気を感じるが、それが少しだけ和らいだ気がしたんだ。

「もうすぐ春だからね……。早く温くなってほしいなぁ」

そう呟く彼女の息はまだ白かった。心なしか、寒さのせいで、より肌の色が白くみえた。

「そうしたら桜が咲いて……綺麗だろうなぁ」

夢心地に言う京子ちゃんのほうがよっぽど綺麗で可愛らしかったけど、それを口に出せるほど、俺はかっこよくないし、勇気もない。

「でも俺は、満開の桜より、蕾の状態の桜のほうが好きだよ」

「え〜?何で?」

「ナントナク、」

曖昧な俺の言葉でも笑顔で返してくれる、そんな京子ちゃんが俺は好きだ。きっとこの気持ちは変らない。

「私は、花びらが全て散って、地面に敷き詰められるのが好き、かな」

「京子ちゃんこそなんで?」

「ナントナク、だよ」

顔を見合わせて、笑った。繋いだ手からお互いの体温が感じれるならば、冬も悪くないと思った。




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