小悪魔kiss
※ALLstar恋愛ルート後
美風先輩が戻ってきてから、わたしたちは、逆マスターコースを続けていた。
少しだけ我が儘になって帰って来た先輩は少し可愛いかも、と思ってしまったりする。
そんな事を思いながらくすと笑うと、美風先輩は不思議そうに首を傾げた。
「何一人で笑ってるの?」
「い、いえ」
ふーん、そう、と美風先輩は読んでいた本に目を戻した。
今は四ノ宮さんも来栖くんもお仕事。
ちょうど空いていたわたしがこうして美風先輩と一緒にいるのです。
(わたしもちゃんといろいろ教えてあげないと…!)
よし、と拳をぎゅっと握りしめ、決意を堅くしたとき、美風先輩が透き通るような綺麗な瞳をこちらへ向けた。
相変わらず、とても綺麗で目が合う度照れもするし、目が離せなくなる。落ち着こうとミルクがたっぷりと入った優しい味のする紅茶に口をつけると、先輩の口がゆっくりと開いた。
「ねぇ、キスって何?」
「げほっ!」
美風先輩の言葉に思わず飲んでいた紅茶でむせてしまった。
大丈夫?と背中をさする先輩とはうらはらに混乱し過ぎてあわあわ、となっているわたしがいた。
確かに演技の練習とか、ハプニングとかで美風先輩とキスをしてしまったことがあるけど………うう、今思い出すととても恥ずかしいです、でもこの美風先輩はnew美風先輩なわけで……!
はわわ、と顔を赤くしていると、美風先輩が顔を覗き込み、顔色を変えずに言った。
「ボク、キスの意味は分かるけどしたことないんだ」
「でっ、ででででもあの、キスはそう簡単に出来るものじゃ……!」
「ふぅん、ねぇ、春歌。ボクにキス教えて?」
お願い、と首を傾げる美風先輩はとても可愛くて。
返事に困ってあわあわとしていると、いきなり美風先輩の温もりがわたしを包んでいた。
「みっ、美風先輩!?」
焦り、真っ赤になっていると、先輩の吐息が耳にかかった。
とっても近いです。
恥ずかしいです。
硬直していると、抱きしめながら美風先輩はいたずらっ子のように笑った。
「ねぇ、じゃあ、藍って呼んで。そしたらキスはなしにしてあげる。」
「えっ」
「キスするか、名前呼ぶか。どっちかにして?」
美風先輩は真っ直ぐにわたしを見つめていた。
思わず唇へと目が行ってしまいまた目を泳がせて先輩を見つめると、ねぇ、どっち、と更に顔を近づけて来た。
わたしは目をぎゅっと閉じ、心を決めた。
「あ、あ、藍、くん」
勇気を振り絞って美風先輩の名前を口にした。
恥ずかしかったけれど、少しだけ嬉しい自分もいたような。
満足したように藍くんは笑った。
「ん、良くできました。」
何故か藍くんの体は離れるどころか、更に近くなり、どんどん、顔と顔が近づき、藍くんの、唇と、わたしの唇が、触れた。
ちゅっ、というリップ音の後に藍くんは顔を離した。
へ、今何が、え?
呆然としていると藍くんが自分の唇をふにふにと触りながら、少し頬を紅潮させて言った。
「君の唇、柔らかいね。これがキスか、なんか好きかも。なんか心拍数も上がってるし何なんだろう。まぁ、これからもやれば分かるよね」
「えっと…」
それは藍くんはドキドキしてると言うことなのでしょうか。
というかわたしもドキドキしてきました、藍くんの唇がふにってして、柔らかくて、かああと赤くなっていると、藍くんの唇がわたしの頬に触れた。
「へぁっ!?」
「何変な声出してるの。んー、頬も悪くないね、まぁボクは唇がいいけど、キスは」
といいまたわたしの唇に藍くんの唇が近づこうとしたそのとき、バンっと勢いよくドアが開いた。
「あいちゃん、七海さぁん、ただいまぁ!あれぇ?なんか2人ともどうしたんですかぁ?」
「ただい……なっ!藍!てめぇ何してんだよ!」
声の主は仕事帰りの四ノ宮さんと来栖くんだった。
藍くんは少しむすっとしていた。あ、なんかむすっとしてもやっぱり素敵です。
「いいなぁ!僕も七海さんにぎゅっとか、ちゅってしたい!」
「やだ、というか、したら怒るから」
「ってか、あ、藍、お前こいつに何して……」
「キス教えて貰ってただけだよ。ね?」
「えっ、えっと………」
慌てる来栖くん、わたしに抱きつこうとする四ノ宮さん、それを嫌がりわたしに抱きつく藍くん。
逆マスターコースはとても楽しいです。
わたしが2人の前で藍くんと呼んで騒ぎになるのはまたべつのお話。
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初藍春
最近藍春ちゃんが可愛すぎて仕方ないです。
小悪魔な藍ちゃんに翻弄されるハルちゃんとか、ふわふわした四ノ宮さんとか、ツッコミ役の翔ちゃんとかもう可愛い
とりあえず藍ちゃんと春ちゃんはつき合ってませn
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