トルテより甘い恋はいかが?
今日はローデリヒさんにお茶に誘われ、ローデリヒさんの家を訪ねた。
やっぱり綺麗だな、そう思いながらノックをすると彼が出てきた。
「おや、来てくれましたか」
「はい、ローデリヒさん。こんにちは」
笑うとローデリヒさんもふわりと笑い返してきた。
「では、こんなところでは何ですし、お入りなさい」
「は、はい!おじゃまします」
入ると甘い香りが漂っていた。
きっとローデリヒさんがお菓子をつくっていたのだろう。
案内された部屋にいくと、お茶の用意が出来ていて、お菓子も用意されていてとても美味しそうだ。
椅子に座ろうとすると、ローデリヒさんが椅子を引き、どうぞ、と優しく笑った。
そんな仕草にどきどきしながらローデリヒさんがエスコートしてくれた椅子に座る。
「今お茶いれますね」
紅茶とコーヒーどっちがいいですか?と聞かれ、コーヒーを、と言った。
ローデリヒさんはコーヒーが好きだから一緒のものを飲みたかったからとは言えなかったけど。
私は普段コーヒーは苦手で飲まないのだが、ローデリヒさんのいれたコーヒーは不思議と甘く感じた。
おいしいな、と思いながらカップをみつめていると、視線を感じその方向を見るとローデリヒさんが目を逸らした。
ローデリヒさんは赤く頬を染めながら、隠すように話を始めた。
「ど、どうですか?」
ローデリヒさんの頬はまだ赤く、みていると私まで赤くなるのを感じた。
「おいしいですよ」
笑うとローデリヒさんは嬉しそうに、照れたように笑った。
あ、と気がついたように、ローデリヒさんは声をあげた。
「トルテもありますよ」
「わぁ!」
そこには、ローデリヒさんの手作りのトルテがあった。
フルーツがきれいに並び、甘い匂いをさせている。
「美味しそうですね」
「ありがとうございます」
ローデリヒさんは照れながらも嬉しそうだ。
切り分けられたトルテを一口、ぱくりと食べると甘酸っぱくも幸せになれる味が口いっぱいに広がる。
食べているだけで、彼の優しい気持ちが伝わってくるようだ。
美味しくて笑みがこぼれる。
つい、ぱくぱく食べていると、ローデリヒさんがクスクスと笑っていた。
「す、すみませんとても美味しくて、夢中になってしまいました」
真っ赤になり笑うと、彼は嬉しそうに、照れたように微笑む。
「それなら嬉しいです」
コーヒーを一口飲み、ローデリヒさんは言葉を続けた。
「だってそれは、貴方を想って作ったのですから」
その言葉を聞き、どきどきと胸が鳴った。
恥ずかしくてうつむいていると、またローデリヒさんが何かを呟いた。
「私にも夢中になって欲しいです…」
「え?」
「んん…何でもありません」
聞こえないふりをしていたけれど、その言葉が私の胸に甘く染み込んだ。
(トルテも甘いけど)
(あなたの言葉の方が甘かった)
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墺→←洪
この2人をくっつけたい
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