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cosmos




セフィロスとの戦いからもう1年もの月日が流れた。
まだミッドガルは戦いのあとが痛々しく残っている。
失ったものは数え切れないほどあって、もうどれを失ったのかなんて、考えたくもなかった。
クラウドはふと、足を止め、しゃがんだ。
そこには小さな花が根をはっていた。



「こんなところに」

一人取り残されたように咲いていて。
まるで自分のようで。
過去に捕らわれて今において行かれている、自分のよう。
赤いその花は風に吹かれながらもしっかりと生きている。
ふと、放って置けなくなり、持ち帰った。





「あら、クラウド、帰ってきたのね」

長い黒髪をなびかせ、ティファが微笑んだ。
正直、あまり帰ってきてないので都合が悪いのだが。

「ああ…これ」

手の中にある赤いコスモスを渡す。
鉢に植え替えられて、花は元からこの家の一部だったかのように咲き誇っている。
花を見つめ、ティファがからかうように笑った。


「へぇ、花なんて珍しいわね。」

「そこで咲いてたからな」

正直、花を見るのは少し辛い。
彼女を思い出してしまうから。
昔、この花について教えてもらったことを覚えている。


(これはなんだ)

(ん?コスモス、ってお花)

(いろんな色があるんだな)

(そう。花言葉もたくさんあってね。白は優美、ピンクは少女の純潔、赤はー…)


ふと、干渉に浸っていると、ティファがどうしたの?と心配をしていたことに気づく。
大丈夫だ、と言い、また出掛けようとドアを開くと、後ろからティファが優しく抱きついてきた。



「ティファ…」

「クラウドまで、いなくなっちゃいやだから、ちゃんと帰ってきて」

「分かっている」

「待ってるから」


振り返らずに出ると、後ろでティファが微笑んでいた気がした。
ああ、きっとここが俺の居場所なんだ。
心からそう思えた。



(赤は愛情、いつか、好きな人にあげて、ね?)



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初クラティファ
アンケートでリクエストがあったので書いてみました!


ACより一年くらい前の設定です。
エアリスはクラウドにとってお母さんのような存在です。
基本クラエアしか書かないので難しかった


ご満足いただけたら嬉しいです!



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