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うたかた




混沌の神と調和の神の戦いがもう少しで終わる。
世界は混沌に染まるかのように暗い色をしていた。
カオスの元へと向かっているコスモスの戦士の一人が足を止めた。



「こんなところに花が」

少女は混沌に染まりかけている世界を明るく染めるように、ふわりと笑った。
そんな少女の笑顔に応えるように花が小さく、笑うように揺れた。
この世界が混沌に染まってしまったら、どうなってしまうのだろうか。
少女はその事を考えて身震いをした。
きっと混沌に染まった世界では花も、草も、風も、何もがなく暗闇に飲み込まれてしまう。
恐怖でカタカタと震える少女を、温かい温もりが包んだ。



「バッツ………」
バッツと呼ばれた青年は、この混沌さえも消してしまえるような笑顔を少女に向けた。
少女を包み込むように抱きしめていたバッツは花に気づいたのか、腰を下ろす。


「かわいい花だな」

「うん、ここに一輪だけ咲いてるの」


一輪だけ。
まるで取り残されてしまったかのように、綺麗に、綺麗に咲いている。
もしも。自分がこの花のようにこの世界に取り残されてしまったら。
考えるだけで不安になった。
心配になってバッツに尋ねた。



「ねぇ……バッツ」

「なんだ?」



「もし、この花みたいに、私がこの世界に取り残されて、一人になってしまったら、私どうしたらいいの……?この戦いが終わったら……みんなとも、バッツともお別れなのかな」




突然の言葉にバッツは驚きを隠せなかった。
もし、この世界に取り残されてしまったら。
一人だけ。一人だけで。
ティナの元いた世界の話を聞いたりしていたけれど。
ティナは一人で苦しんでいたこともあって。
いつも無理しているようにみえて。

けれど、これだけは伝えたかった。



「ティナ、一人にはさせないさ。」

「バッツ…」


「たとえ一人になってもおれが必ずそばに行く。どこにだって風は吹いてるんだ。それにたとれお別れになったとしても、いつか必ず会えるさ。」

「ありがとう、私……バッツと会えてよかった」

「おれも、ティナと会えてよかったよ」


お互いに顔を見合わせて笑うと、あの暗い空に少しだけ、光が現れたような気がした。
別れても、また会える。
その言葉がティナの心に深く染み渡った。
たとえそれがうたかたでも。



一輪残った花が、風に揺れていた。




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初バツティナ


混沌と孤独が恐いティナに優しく寄り添うバッツ。

ふわふわしてるバツティナが好きでs

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あきゅろす。
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