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月の明り
『そんなにこの女が大事か。ならばこの女は預かっていこう』


『まて…っ、ローザ…!』



クリスタルと引き換えに、ローザを連れ去り、その命をかけた。
ゴルベーザ様に言われたようにローザを縛ると、胸の奥がずきんと痛む。
しかしその気持ちとは裏腹にどこか嬉しく思う自分がいる。
その気持ちのジレンマに辛くなり俯いた。



「カイン…どうしてなの…」
その声は悲しみしか伝わってこない。
ローザの瞳からは涙が溢れていて、悲しみと絶望を痛いほど訴えかけてくる。
涙を拭おうと手を伸ばすと拒むように、ローザは顔を逸らした。
拒まれた手は虚しくさまよう。 
彼女の不安な表情の奥にはセシルを待っているという気持ちがある。
そんな顔をみているのに耐えきれず俯いた。


「俺は………」
“君にそばにいてほしい”、“あいつじゃなくて俺をみてくれ!”
言葉は口に出すことはなく胸の奥深くにどす黒くある嫉妬に飲み込まれていった。


「セシル……」
そうつぶやいたローザはここにはいないセシルを心から想っている、そう伝わってきた。
ぐっと自然に手に力が入っていて。
嫉妬しか胸にない。
こんなに彼女を想っているのに、彼女が想うのは……
俺ではない。
伝わらないなら、せめてこのまま、君のそばにいれるだけでいい。
この想いはきっと届かないから。


こうしてそばにいさせてくれるだけで、いいんだ。





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拍手ありがとうございました!

拍手文3回目は初の(セシ)ロザ←カインでした
カインの気持ち、伝えたいけど届かない








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あきゅろす。
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