忘れたいけど、忘れない
クラウド達との旅の途中で私達はゴンガガという村についた。
訪ねた家の老夫婦は、クラウドに聞いた。
「うちの息子もソルジャーでね」
「知らないか、ザックスって名前のソルジャー」
“ザックス”
ふと私の頭にある人物が浮かんだ。
黒髪の、青い瞳の、明るい笑顔の少年。
私の心に咲き続ける少年。
私の初恋。
彼はきっと、星に還ったんだって、思う。
教会で彼をずっと、ずっと待っていた。
けど彼は来なかった。
教会で感じたあの気持ちは、きっと彼が、彼の命が終わってしまったんだって、そう伝えているようだった。
ザックスのこと、忘れようとしていたけれど、彼の笑顔だけは心から離れようとしない。
“じゃあさ、デート一回ってのは?”
“エアリスー…”
彼の言葉が頭に駆け巡る。
クラウドが私の前に落ちてきて、思い出した。
彼のこと。だって似てたんだもん。
仕草、行動。
そして、一緒に旅をして、クラウドと一緒にいれば、彼のこと、忘れれるかな、と思ったけど。だめで。
まさか、ここで彼の故郷に来てしまうとは。
彼の両親が真実を知らないことが、胸の傷を痛める。
“エアリス”
やっぱり、私、ザックスの事、まだ好き。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ザク)エア
ザックスェ…
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!