着任式
王が死んでから数日後。カストレに休日が訪れた。
最初の休日正午に着任式を行うと連絡があったために関係者全員が一階のホールに集められた。外には既に大勢の人がいて大歓声をあげている。

話によるとヒロ以外は関係者席からの観覧となるようで、既にシエルたちは外に出て行った。アシェルとヴァンクールはカストレではもういない人物となっており、かつ四大能力の持ち主で危険なため、外に出てはいけないと言われてしまった。
「王の方が危ないいんじゃねーの。」
ヴァンクールが腕を組みながら膨れっ面でランス王を見ると、イクサが
「ランス王は強いから心配ないよ。」
その一言にヴァンクールは顔をしかめたが何も言わなかった。ランス王は眉をハの字にして、ハハハと困ったように笑う。
『ヴァン!アシェルと待ってよう!』
マリがヴァンクールの肩を持ちながら微笑むとヴァンクールは頬を染めて頷いた。

「王そろそろ時間ですよ。」
アルヴァが自身の腕時計を見ながら声をあげた。
「わかった。」
ランス王は純白の上着に腕を通すと光の射す外へ向かう。その後騎士たちが自身の武器に手をかけながら王に続いた。

王が出た瞬間大歓声が響く。そんな中アシェルとヴァンクールは部屋の窓から外を眺める。
「こんなにいるのか。」
ヴァンクールは少し驚いた顔をして外を見つめていた。


[*前へ][次へ#]

7/33ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!