守れない。
※アシェル視点



女はもうスピードでこちらに走ってきている。

「覚悟ォ!」
走りながら素早く背中の方からでかい…?を取り出して

ビュッと思い切りこちらに向かって投げた。


ビュォ…
『アシェル!避けて!』
フレイルが叫んだ。

俺は受け止めようとしていたから。


「えっ!」
ギリギリのところで横に避ける。
『アシェル!気をつけて。
それは十字手裏剣といって、ブーメランと同じだよ!』

それはマズイ
手裏剣をみれば弧をえがいて戻って来ているし、女は猛進している。

俺はそれらの同一直線上に並ばないように避けた。


そして近くにあったモニターのリモコンをおもいっきり投げつけた。


女はそれを軽々と避けて

パシッ
と手裏剣をつかんだ。


そして手裏剣を掌にのせて手を覆い被せると、
手裏剣が消えた!!

(ほえぇ…。マジシャンかよ!)

そんなことを思っていると、

ビュッ

「うおぉっ!」

小さいナイフみたいのがさっきの手裏剣とは比べ物にならない早さで飛んできた。


カンッカンッ…

次々に壁につきささる。
そのナイフをよくみると、さっきの手裏剣の刃、一本一本だ。




俺は心刀をビュッと女にむけた。


「ヴァンクールをどうしたいんだ。」

女は少し悲しげな顔をしたように見えた。

「邪魔だから、殺しに来た…。」

「そんな…。
ヴァンクールだっていきてんだ!」
俺はキッと女を睨み付ける。

「私だって、
…だからお願いがある。」女は顔を上げた。

「ヴァンクールとお前らの中の誰かが契約しろ。」

…たしかにそうすれば、セイカに殺されても…
(アシェル…。
それでとおるなら、とっくにそうしてるよ。
2人以上が同時に契約することは可能なんだ。
でも、死んだ時に強い人間の心刀になるって決まってる。)

『それじゃあ…』
フレイルが少し息をつまらせた、



『今死ぬ以外でセイカから逃れる方法はないよ。』





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あきゅろす。
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