イクサ

「ヴァン!ここはあたしがやる。」

ヴァンクールは窓の近くシエルを見て叫んだ。

「シエル、お前も怪我をしてる。
俺も戦うから。」


イクサがこちらを見てない時にヴァンクールは窓から飛び出して中庭にでた。


シエルはかなりひどい怪我をしている。

「あんたは…
覚えてるよ!」
イクサがシエルを見て笑った。
ヴァンクールは静かに拳銃を構えている。


「殺してやる!!」
シエルはヴァンクールが見たことのないような顔をして叫んだ。
頭に血が上っているみたいだ。


「私が妹、殺したもんね〜。」
イクサは少し笑った。


その言葉でヴァンクールは手を出しにくくなった。

(敵か…)

そう。シャインを銃殺した騎士はイクサ・フラウだったのだ。


シエルが鎌を後ろに振り上げた。

そしておもいっきりふりおろす。
―ビュウッ

ものすごいかまいたちがイクサに向かって飛んでいった。



イクサはかまいたちの中に消えた。

(…やったか?)


かまいたちが音もなく消え去って


「!」
イクサは右手のライフルを前につきだした状態で立っている。

『シエル。全くきいてないよ。』

するとイクサが
「頭に血が上ってたら勝てる試合も勝てないよ。クスクスッ…」


「うるさい!」
シエルが叫んだ。


するとイクサが少し空を見て
「駄目だよ。
今日は楽しくない。
2人とも万全じゃないから。」
イクサは後ろを振り返った。

「待て!」
ヴァンクールが叫ぶ。
イクサは振り向いて笑った

「頑張って逃げ切りなよ。」
その時空間にヒビがはいった。

そのなかにイクサが手をふりながら消えていった。




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