ヒロとボマー


ヒロは体育館から出ることに決めた。

(俺のせいで杏理が…。
自己中なのはわかっているが能力者を狙っているのだから体育館の人たちは無事だろ…)

さっき生徒の証言で目の前から杏理と緑が消えた。と聞いて、緑が能力持ちだと言うことがわかった。


早くしないと杏理が殺されるかもしれない。


ヒロは体育館を飛び出した。


「っ!」
その時1人の男にぶつかりそうになった。

男は所々怪我をしている。
(こいつも能力者!?)
ヒロは3mほど離れる。


「どけよ!!」
ヒロは大声で男に怒鳴った。
戦っている場合じゃない。杏理が心配なんだ…


すると男は少し怒ったように、
「うるさい!
松本杏理は銀髪の男が助けるよ!
早く俺の相手をしろ!」


アシェルさんがいるのなら少し安心だが…

「なんでお前たちはそんなに能力者たちを殺したいんだよ!?」
こいつらは狂っている。

すると男は笑った。
くすくす……
「なんでって!?
この世界がつまらないからだよ!
俺たち3人はお前たちを無事殺せたら、この国から出るんだ。」

本当に狂っている。
ヒロは怒った。

「人の命を奪ってまで…」
すると男が手をだした。
ピピッ

「…!?」
ドンッ
ヒロは体育館の中にぶっ飛んだ。
しかし爆風にあおられただけだ。

「キャー!」
見ていた女子生徒が叫んだとたん、中の生徒たちが体育館の端に移動した。


ヒロが咳をしながら起き上がって男をみる。
ピピッ
男の発動音と共に静かにドアを閉められた。
「しまった!!」

ヒロは急いでドアにかけよろうとしたとき、
ドンッ

ドアが変形した。
ヒロはドアを開けようとするがびくともしない。

たった一つの出入り口が閉ざされてしまった。


するとドアの向こうから声がした。

「全員死ね。」


ピピッ。





体育館の真ん中に大きな箱が現れた。

「ばっ爆弾だ!」
1人が叫ぶ。
みんな泣いたり、叫んだりしていた。
その中でヒロは唖然としていた。


でかい…
こんなのが爆発したら。


するとピンポンパンポン。と放送音。

「この爆弾で全員死ね。

爆発まで1分あるからお祈りでもしな。」


一瞬みんな静かになった。そしてパニックになる。


(爆発がでかいほど時間がかかるのか…)
ヒロは爆弾の方へ走った。

「おい!ヒロ!
近寄んな!爆発するぞ」
みんな体育館の端から叫ぶ。


ヒロはみんなに向かって笑いかけた。

そして爆弾を見つめる。


手をかざして目をつぶった。
(力を…。)



体育館の全員が唾をのんだ。
ヒロが消えた。爆弾と共に。





ヒロは力、空間を使った。

爆弾と共に放送室にとんだのだ。
音もなく男の後ろに降りた。

後ろから思いっきり頭をぶん殴った。


「っ!お前…!どうやって?

爆弾も!」
相当焦っている。

「心中するつもりか!?」

爆弾が邪魔で入り口がふさがっているからそう思ったのだろう。


ヒロはニコッと笑った。
なぜか男も安心したみたいな顔をした。



「お前一人で死ね。」
ヒロは目をつぶった。




目を開くと体育館の真ん中だった。




ドカンッ


遠くで爆発音がなる。

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