vs
「なっ!」
男は驚いた。
アシェルは自らの力でボマーの爆発を防いだのだ。
バキィッ
そのままアシェルは男の腹を思いっきり殴った。
「ぐぁ!」
男は爆発でえぐれた教室の廊下側の壁をぬけて、廊下の壁に激突した。
アシェルは壁にもたれてぐったりしている男に近づく。
心刀フレイルをぬいた。
ピピッ
アシェルの背中であの爆弾の発動音がした。
ボンッ
その時、アシェルは吹っ飛んでいた。爆発の威力はそんなになかったが、
(背中からの能力の攻撃は防げないのか…)
「なんだ!正面に爆弾をしかけなかったらいいだけか!」
壁にもたれかかりながら嫌な笑みをうかべて男は言った。
その時、
「ねえ。亮は体育館に行ってあんたがヒロを殺してきて。
あと5分だからこっちは殺せるでしょ。」
女の声。
亮と呼ばれた男は静かに立ち上がった。
「緑か…
この2人を殺せ。
早く終わらせよう。
予想以上にやっかいな能力者だ」
そう言い残して亮は割れた窓から落ちていった。
アシェルは女を見る。
!
「中畑緑!?」
確かに中畑緑だ。
すると中畑緑は笑いだした。
「まさかヒロも能力者だったなんてね。」
そういって、両手を上に上げた。
すると震えている松本杏理が中畑緑の前に現れた。
消えていたという感じに
「松本杏理!?
ヒロはなにやってんだ?」
すると中畑緑が
「ヒロがよそ見したから。」
といって笑いだした。
おさまったかと思うと
「今回は杏理だけ殺すつもりだった、なのに…
ヒロは殺したくないから…」
静かに言った。
「まずは杏理を殺す!」
「緑!離して。」
そういって2人は消えてしまった。
「しまった!」
アシェルは走り出そうとしたが、シエルの方へ行った。
出血がある腹に自分のネクタイをまいて、簡単な止血をした。
「俺、中畑緑を探す。」
シエルに背を向けてアシェルは走り出した。
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