ロストエデン
アシェルは汗だくで目を覚ました。
「アシェル!」
目の前に顔色の悪いヴァンクールが心配そうにこちらをみている。
「ああ大丈夫だ。」
ほぼ同時期にキセキが目を覚ました。
カレン、ミンティア、シエルはまだ気を失っており、シエルは汗をかいて苦しそうに唸り声をあげている。
「シエルは全然起きないんだ。」
ヴァンクールが首を降った。

「皆さん大丈夫ですか?もう大丈夫です。」
そうだ。いつの間にか機体は安全に進んでいる。
「これは?」
キセキがエースに問いかけると、
「これは奴の幻術です。乱重力ではうまく動けないので、幻術を見せている間にこの機体を潰す気なんです。」
キセキは関心したようにエースに微笑みかけた。
「だからあんたしかロストエデンにいけないわけね。」
ほかの人ではこの幻術にひるんでしまい、その間に迎撃されてしまうかもしれないからだ。
「あんたはなにも見えなかったのか。」
ヴァンクールが問いかけると、エースは苦笑いしながら、
「怖いものがない。たったひとつの取り柄でございます。」

「みなさまもうすぐつきますよ。」
エースは窓の外がよく見えるように機体をゆっくりと傾けた。
目の前に広がるのは青いそんなに広くない大陸だった。
しかし見たことのないような美しい青と緑。歴史のある古い所々にヒビやコケを残した建物を中心にいろんなところから青い滝が流れている。
ロストエデン。失われた園。


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