そして歯車は狂い出す

それぞれが訓練をするなか、
カストレ国王の病状は悪くなるばかりである。
そしてとうとうアシェルたちがカストレに来て一ヶ月ほどたったとき、ランスに一報が届いたのである。

「やはりな……。」
ランスは目を細めて小さく呟く。
「すまないがとりあえず騎士を集めてくれないか?」

ー国王が死んだ。

一同誰も悔やまない。
それほどまで国を悪い方へと引き連れてきた張本人である。
国王の死を嘆くものなどいるはずもなかった。
「俺が国王になるということだが……。
とりあえず国民に説明しないといけない。
一週間後だ。一週間後に国民にすべて説明する。
国王が死んだこと、俺が王になること、騎士全員の紹介、そしてセイカを騎士からはずすということ。」
ランスは父親の死というのに全く動じない。
すでに国のリーダーらしき振る舞いである。
「あと警備を強化してくれ。
セイカを騎士からはずす前に俺が死んだら元も子もない。」
ランスはエージェントを見た。
エージェントは胡散臭くにっこり笑う。
「任せて。」

「それから、
本格的に動き出す。
俺は全知全能の鍵を受け取れる。
それですべてを知り、最善のルートを選択していこうと思う。」
全知全能の鍵とは、国王になったものが受け取れるという図書館の鍵である。
その知識は、世界を破壊することも可能なほどらしい。

「みんな……よろしくな……。」
ランスは立ち上がると部屋から消えた。

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あきゅろす。
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