シエルが心配
「おはようございます。
皆さんよく寝られましたか?」
騎士ハンクが食堂でにこにこしながら大声をあげる。
ハンクの後ろにはチラチラ銀髪が見え、腰に腕が回っていることから後ろにハルモニアがしがみついているのがわかる。

今は朝。
朝食の時間である。
昨日はあれから全員10時には寝るとされており、部屋で休息をとって、今である。

「シエルもいるな。」
ヴァンクールは昨日より生き生きした表情で、食卓の周りを見回した。
ちらほらと席が空いている。

「クレスタ。あいつはどうした?」
アルヴァがクレスタに突然話しかける。
「あ!起こしてきますね。
さっきも起こしたんですが……。」
クレスタは困ったように微笑むと、席を外した。

ーーーーーーー

「遅れました!」
朝食の途中でクレスタと一緒にパタパタと走ってきたのはウェルテスだ。
(第一印象そのもの。)
アシェルはフレイルにわらいかけると、
『変わってないね。』
と微笑んだ。

朝食を食べ終わるものが増えていき、食卓からどんどんと消えていった。
朝食終わりから一時間後。すなわち9時から個々のトレーニングが始まる。

事前に連絡として、トレーニング場所は割り振りされている。

朝食食べ終わったと同時に、ヴァンクールはシエルの元に向かう。
シエルは食堂から去ろうとしているところを捕まえた。
「ヴァン。」
シエルはヴァンクールに微笑みかける。
「大丈夫なのか?」
ヴァンクールがシエルの頭を撫でると、シエルはヴァンクールから目をそらした。
「うん。昨日1日考えたんだよ。
今は騎士は敵じゃないって。
ほんとの敵は、今はこの人たちじゃないって。だからあたしは大丈夫。」
シエルはヴァンクールの頬に手を当てた。
「あたしも頑張るから。」
シエルの強い眼差しに、ヴァンクールは少し安心する。

「よかった。
何かあったら言えよ。」
ヴァンクールはシエルの頭をぽんっと叩くと、フレイルの部屋に向かった。

(さて、準備しないと……。)


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