ご飯だよ

ドンドンッ
入り口の扉が大きくうちならされた。
ヴァンクールは敏感になりすぎている五感で大体誰がこのへやに向かってきているのかわかっていたので、
「はいはーい。」
ヴァンクールはだるそうに返事をして、扉をゆっくりあける。
「やっぱりって顔してるな。」
目の前にいたのはキセキだ。
いつも通りヘラりと軽く笑ってヴァンクールの頭をさわろうとすると、ヴァンクールは無言でにらみあげキセキの腕を払いのける。

「あっ。苦手なんか。ごめんごめん。」
またヘラりと軽く笑ってヴァンクールの横を通り抜けた。
ヴァンクールは警戒心の強さから、キセキの後ろに無言でついている。
「アシェルは……」
キセキがソファーを覗き込むと、アシェルが横になって眠っていた。
「疲れてるんだ。」
ヴァンクールがぶっきらぼうに言いはなってキセキの前に回り込む。
「でもご飯……。このまま寝かすのか?王子が怒るぞ。なんでそんなにアシェルを庇うんだよ。」
キセキが、呆れたように笑うと、ヴァンクールが少し照れたように下を向く。
(休ませれるとき休ませないと。)
もしもの時にヴァンクールだけではしんどいからだ。
まあ、騎士団のキセキには言いにくい。

「なにをいってるんだ?」
二人の後ろで眠そうなアシェルの声が響く。
「アシェル……。ご飯だよ。」
ヴァンクールが小さな声でアシェルに微笑んだ。

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