格の違い

「ふーっ…」
セイカは嫌そうな顔をして深く息を吐いた。

「遊びすぎちゃった。早くしないとね。」
セイカは右手に握っているレイピアをしまう。

そしてにっこり笑った。

(っ!
やばい!)
なにかゾクッとしたものがシエルの体を突き抜ける。

その瞬間だった。
セイカが消えたのは…



そして、
大量の血がシエルの視界に入った。
「えっ…?」

「ウェル!」
イクサの声を聞いて、数メートル先のウェルテスが血を吹き出して倒れたことにやっと気がついた。


そして一瞬セイカの影がちらついたと思ったら、サギリが後ろに大きく吹き飛ばされる。
「サギリっ!?」
『シエル!動いて!
来るよ!』
シャインが叫んだ瞬間にシエルは右に大きく飛んだ。

ドゴンッ

おぞましい音と共にリングの石が砕ける。

(あぶなっ!)
もし当たっていれば、命に関わっていただろう。

「避けたのっ?」
シエルの目の前にまたセイカの驚いた顔がちらついて、

セイカはそのままイクサに飛びかかった。
「イクサ!逃げて!」

シエルは夢中で叫び、心刀シャインを構えてセイカを追いかける。

セイカはイクサの前に現れ心刀であるレイピアを握った。
「くそっ!」
イクサは一瞬でライフルを召喚して体の前で盾にする。


しかしセイカは無音で、ライフルごとイクサをレイピアで一突きした。

(ああぁ…)
セイカに突っ込みながら、シエルは絶望する。

あと数センチ…
シエルは鎌を振った。

ーその瞬間
セイカが振りかえって、
シエルの小さな体は吹き飛んだ。



ヴァンクールの目にはその光景を見せられることは拷問のようだった。

セイカはヴァンクールの方へゆっくり歩いてくる。


ー5人がリングに入って5分程度のことである。


ーーーー


アシェルが3姉妹と対峙していた時、
『アシェル!
セイカがヴァンクールを!』
フレイルが叫ぶ。
(くそっ!)


アシェルは3人に背を向けて、ヴァンクールのもとへと走り出した。



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あきゅろす。
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