シエル

アシェルは中に入って驚愕だった。
中はとても広くて快適。

アシェルは女の子に大きなリビングルームみたいなところに案内された。

「あたしはシエルよ
ヴァンを助けてくれてありがとう!」
シエルはアシェルに礼を言った。
「礼は俺にじゃなくて…」…フレイル。
何故か心細くなる。
アシェルがうつむいていると、
「どうしたの?」
シエルがアシェルの顔をのぞきこんだ。
何から言えばいいのだろう。
するとヴァンクールがわかりやすく言ってくれた。

「フレイルが心刀に…
フレイルはあたしだってしってるよ。」
するとシエルが思い出したように
「あたしもカストレ人だったんだ。」
アシェルはびっくりした、こんなすぐに同じ境遇の人と出会えるなんて…
シエルは続けた。
「あたしはスラムの人間だったんだ。
上にも下にも行けなくて、城に繋がる小さなエレベーターが一つあっただけ…
あたしは本当に国を恨んでて、エレベーターの見張りを殺してまで城に行ったの。
王を始めは殺そうと思ったんだけど、その近くに今まで感じたことないような力を感じてあたしは怖くなって国から脱出した。」
シエルは暗い声で言った。

アシェルがうつむいていると、
「カストレなんか潰れればいいのに。ヴァンったら甘いんだから」
皮肉を言った。


「俺たちはそんなことが目的じゃないだろ。
第一俺たちじゃ歯がたたない」
(カストレの方が強いのか…)
するとヴァンクールは部屋の棚をあさって見つけたビンを見て
「薬入ってないや
ランナはいないの?」

「バレンチアにいるからちょっと我慢して」
と申し訳なさそうに言った。

「それと、そんなにフレイル…
って落ち込まなくても、」
シエルが話の続きを始める。落ち込んでいるアシェルにとっては少しキツイ言葉で…

「フレイルには山ほど聞きたいことあるのに!
死んじまったんだぞ…
奴の意思を継ぎたかったのに。」
アシェルが少し怒鳴ってしまったからシエルもヴァンクールもアシェルを見て驚いている。

するとシエルがおろおろしながら
「心刀になってるんだったら心刀と主だけ話せるよ…」

驚愕の事実!
「えっ?」
アシェルはバカみたいな顔をしている。

「フレイルがそこにいるんだったら意識を集中させたら聞こえるよ。」

(いろんなことに夢中で全然気づかなかった。)
「教えてくれたっていいだろー」
アシェルはヴァンクールに言った。
「てっきり初めはフレイルが出てきてくれないんだと思ってたんだ。」


アシェルは早速意識を心に集中した。




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