進んだ文明

「とにかくバレンチアに行かないと。」

ヴァンクールは耳についたピアスを外す。
そしてピアスに向かって大声で叫んだ。
「むかえにこーい!」

アシェルの肩が震えた。
ヴァンクールがいきなり叫んだからだ。
「そのピアスなんなんだ?」
アシェルはなんでこんなピアスにヴァンクールは叫んでいるのか気になった。

「ああ。
カストレにはないよな。
これは『通信機』っていって、遠くの人と連絡がとれるんだ。」

アシェルは始めすごく考えた。
そんな機能はカストレにはないから。
「じゃあ。カストレの人とも話せるのか?」
アシェルは夢中になってきいた。

するとヴァンクールはアシェルにピアスを見せながら、
「これは俺が一方的に話すものに改良されてんだ。
あと、話したい相手が通信機持ってないと話しにならないな。」

(カストレはあんなに進んでると思っていたのに、バレンチアの方がすごいんだな。)

「来た!」
ヴァンクールは顔をかがやかせて空を見上げる。
アシェルもそのあとを追った。

その時感じたことのないありえない突風がふく。2人とも髪がぐしゃぐしゃになっている。

目の前には見たこともない巨大なそらとぶ金属の塊が降りてきた。
「これがバレンチアの飛行船だ!」
ヴァンクールはかなり大声で叫んでいるようだが、突風の音のせいであまり聞こえなかった。

金属の塊はゆっくりと地面に降り、
その瞬間入り口らしきところが開いた。


「ヴァン〜!」
飛びたして来たのは、金髪のボブの少女。
ドンッ。
ヴァンクールにすごい勢いで飛び付き、2人はそのまま地面にころがった。

「いてえよ。」
体を起こしながらヴァンクールは迷惑そうに言った、顔は嬉しそうだが。

ヴァンクールに抱きつきながら少女は
「2人とも乗らないとね。」
そういってヴァンクールから離れた。
「詳しいことは中で聞くから。」

アシェルはヴァンクールが手招きするのについていった。
そして正直怖かったが、巨大な船に乗り込んだ。




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あきゅろす。
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