ソルフレア闘技大会?
涙を流すランナをみんな静かに見ていた。
それぞれが何を考えているか、アシェルにはわからなかったが、
アシェルはフレイルと契約。そしてフレイルが撃たれた時のことが脳裏によぎった。
その時、
コンコンッ。
ふいに扉がなった。
「どうぞ。」
「失礼するぞ。」
入ってきたのは、椎葉だった。
みんなびっくりして無言…。
「命に関わらなくてよかった。」
椎葉は全員を見回して、うんとうなずく。
そして、ヴァンクールを見た。
「お前には何が必要なんじゃ?」
椎葉がヴァンクールに優しく問いかける。
ヴァンクールは少しだけきょとんとしてから
「力。」
とただ一言言いはなった。
椎葉は「そうだろな。」と笑ってから、ヴァンクールに紙を見せる。
…?
「ソルフレア闘技大会?」
ヴァンクールは顔をしかめた。
「どうじゃ。力の向上もはかれるし、賞金もたくさんでるぞ。騎士もでれんし。」
アシェルは時雨の話を思い出す。
(そんなこと、言ってたな…)
「ヴァンクール。行ってみるか?」
アシェルがヴァンクールを見ると。
ヴァンクールは首をかしげて本気で迷っている。
「シエルたちは?」
アシェルが周りに問いかけると、
「いいよ〜!」
と返ってきた。
その声にはっとしたようにヴァンクールは顔をあげて、
「あぁ。行ってみるか?」
と笑った。
その時、椎葉が
「手続きはソルフレアで出来るから、いってきなさい。あと、鷺がいたら。戻ってくるよう言っといてくれ。」
と言って病室を出ていった。
ヴァンクールはそれを見て、唇を噛み締めてから。
「ちょっと先に飛行船で待ってて。」
と椎葉の後を追っていった。
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