ランナと刺青

アシェルとヴァンクールはミカミの病院にヒロとシエルに会いに、ランナを診てもらいにいった。


病院に入った瞬間、
「ひどいケガですね!
すぐに先生に診てもらいましょう。」
と数人のナースが走ってきた。

「よろしくお願いします。」
とアシェルは頭を下げて、ランナを頼む。

ナースはにっこり笑って
「その間に他の人に会いに行ってはどうですか?」

そして2人は指定された病室へと向かった。


ーーーー

ガラガラッ

「あっ!ヴァン、アシェル。」
ヒロが本当に嬉しそうに、にっこり笑った。

アシェルも笑って右手をあげる。

「大丈夫そうだな。」
アシェルがシエルのベッドにもたれ掛かって笑うと

「毒は解毒剤でさっぱりだよ。
しかも、元々ケガしてないから全然大丈夫。」
シエルは腕を叩いて笑ってうなずいた。


ヴァンクールは壁にもたれ掛かって腕を組んで息をはく。
そして
「ランナの首に心刀の刺青があった。でも、誰かはまだわからない。」


その場の空気が一瞬にして凍りついたような、そんな感じだった。

シエルは目を伏せて、布団を強く握る。

「ランナを奴らの心刀になんかさせない」
ヴァンクールは窓の外を覗きながら、静かに呟いた。

「ああ。ランナの相手を倒せばいいだけだ。」
アシェルも拳を額に当て、うなずく。

その言葉に全員がうなずいた。



その後、アシェルとヴァンクールは時雨の元へ向かう。


「時雨さん、大丈夫?」
アシェルが時雨の部屋に入って、ベッドに腰かけている時雨に話しかける。

時雨はすぐにこちらに気付き、
「ああ。大丈夫だ、疲労が溜まっているだけだそうだ。」
とニコッと笑った。


ヴァンクールは時雨にランナのことを話すと、
時雨ははっとして

「婉那!」
と叫んだ。

すると向かいのカーテンの中から一人の少女が出てきて、

「芳賀椿だよ。騎士じゃなくて、カストレ一の医者…」
と低く唸った。


アシェルは目を大きくしてから、深いため息をついて
ドンッーと
隣にあったベッドに勢いよく座った。



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あきゅろす。
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