ジャンとヒロ

「…。」
ヒロの顔は青ざめ、
視線は自然とナトリと戦っているシエルの方へ向かった。

「ヒロ。あたしもかなりヤバイよ…」
一瞬の隙をついて2人は背中合わせになる。

シエルの息は荒く、ズッ…と鼻をすすっている。


ヒロは一度鼻をこすってから、
「ジャンは俺が倒すよ。」
そういって、また刀を構える。

シエルもそのことばにうなずいて、鎌を構えた。


ヒロはまたジャンに突っ込んで行く
「はぁ!」
ドンッ
刀を思い切り振るが、ふわりと避けられた。

「キレがなくなってるよ!」
ジャンはニコニコしながら、地面に触れている刀を思い切り踏みつけた。

「しまった!」
そのせいで刀は動かない。顔をあげると、目の前でジャンは2本の剣をクロスさせていた。

ヒロの視界に影ができた。


ビュッー


風を切る音。

「!」
ジャンは何かを感じ、急いで後ろを向く

ーザンッ

ジャンは2刀で防御するも、右腕から血がほとばしる。

「おまえっ…」

ヒロはジャンに切られる瞬間に、空間の力を使った。そしてジャンの後ろに現れそのまま刀を振ったのだ。

「はあ…はあ…」
目を細めながらヒロはまた刀を横に構える。

そう…まだジャンは死んでないから。


青の浴衣の胸元はどちらの血かわからないが赤く染まっていた。




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あきゅろす。
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