勝者は?

はぁはぁ…

先ほどの悪夢は終わったものの。
『ヴァン?
しっかりして!』
マリの声が遠めに聞こえる。

そして目の前の時計がぼやけている。


さっきのセイカとの戦いの傷がまだ残ったままなのである。


マリの声色からして、かなりやばい状態なのだろう。もう痛みは感じないが…

身体がふわふわしているような、

『ヴァン、早くここから抜け出さないと、』

オリバーはおれの過去なんかしらないこと、ということは…幻の中にはいないということ。


早くしないと、ここで俺は死ぬ。



俺はナイフを握りしめた。


『ヴァン?』


「はぁはぁ…」
ビュッ!


ガンッ
俺は最後の力でナイフを目の前の時計につきたてた。



俺の口から大量の血が飛び散って、

『ヴァン!』
マリの叫び声を聞きながら

俺は深い眠りについた…

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あきゅろす。
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