白き貴婦人
five
あぁ……鼓動が高鳴る。
心臓の音がうるさい。
顔に熱が集まる。
あの人――――ジェリコと目が合ってしまった。
それだけで、こんなにも……体が熱くなっていく。
頬が紅く染まってはいないだろうか?
今が夕方の時間帯でよかった。
顔が真っ赤に染まっていたら、それを気づかれてしまったら、とても恥ずかしい。
「ん、他にもお客がいるようだな?仲間か……、それとも……」
「頭?どうしましたか?」
「どうした、じゃねえだろ。もう一匹、紛れ込んでいる」
「ああ、そういえば……。客が迷い込んだ感じでしたけど……」
「一応、確認する。おまえ達は、そいつらの処理をしておけ」
ジェリコは墓守達に指示をすると、こちらへと一直線に向かってくる。
(ど……、どうしよう。まだ、心の準備がっ)
アマネは逃げずに、ジェリコが柵まで来るまで待つ。
彼は柵に手をかけ、にやりと微笑む。
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