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「えぇ、そうなんです。私としたことが......失態です。」
自分の言葉に落ち込みながら、ドア抜け廊下にでる副会長の後をついて歩く。
そろそろ腕を放してくれないかなと思うも、副会長のかつてない落ち込み具合に口を閉じる。
「太陽の、......あの子の自由奔放さを甘くみていまいた。まさかトイレにいくといって、そのまま中の窓から外へでるなんて思いもしなくて。」
「え?」
「私にありのままの自分でいいといってくれたんです。変なつくり笑顔はやめて、本当に笑いたい時だけ笑えばいいんだって。そういってくれたんですっ。」
「え、え?」
つくり笑顔?
あの、一般生徒にだけみせる穏やかすぎて逆に怖いつくり笑顔のこと?
生徒会の人たちは知らないけど、風紀ではもう開きなおっているのかと思ってた。俺たちの前では副会長ぜんぜん笑わないし。
それに、転校生もトイレの窓から外にでるなんて。
今日転校してきたばかりの生徒にはとても思えない。
「あの副会長? これってどこに向かってるの?」
早足で廊下を歩く副会長に今さらな疑問をぶつけ、周りを見回す。
渡り廊下を抜けたここはもう、普段授業に使われる一般練だ。
今の自分の状況に、心底今日が土曜日でよかったと思わざる得ない。
「あぁ、放送室ですよ。校内放送をかけようと思いまして。ですが、それには各組織の長か、副二人の承認がいります。あなたの肩書きには幸い副の文字がありますし、私は副会長です。これで、」
「あーっ!! みしきだー!!」
「太陽......!?」
突然、廊下に響き渡った大声に耳を塞ぎたくなる。
手を離せばいいものを、俺を引きずったままその生徒に近づいていく副会長は溢れんばかりの笑顔を咲かせている。
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